節目の30歳! 来シーズンは1989年生まれ世代の切磋琢磨に期待
今年のストーブリーグは1989年生まれ世代(1989年4月2日から1990年4月1生まれ)の話題が豊富だ。丸佳浩(広島)がFA宣言をすれば、菅野智之(巨人)は12球団最速で開幕投手に指名された。さらに菅野は背番号「18」を杉内俊哉から受け継ぐことも決定している。スタルヒンや藤田元司、堀内恒夫、桑田真澄と歴代のエースたちが背負ってきた伝統の番号を来シーズンから身にまとう。
その他にはヤクルトを戦力外となった由規が地元である仙台に本拠地を置く、楽天と育成契約を締結。来シーズン中の支配下登録を目指している。
そんな1989年生まれ世代だがドラフト時と現在で大きく情勢は変わっている。
菅野、丸が世代の中心へ
仙台育英時代の佐藤由規
1989年生まれ世代が初めてドラフトにかかったのは2007年のことだ。その当時、話題になったのは「高校生ビッグ3」と呼ばれた中田翔(大阪桐蔭高)、唐川侑己(成田高)、佐藤由規(仙台育英高)の3人だった。当時は高校生ドラフトとして実施されていたこともあり、3人に指名が集中。抽選の結果、中田が日本ハム、唐川がロッテ、由規(佐藤由規)がヤクルトへそれぞれ入団。丸も広島の3巡目で指名され入団に至っている。
その後、しばらくはビッグ3の3人が世代を牽引していった。しかし、2011年以降のドラフトで同世代の大卒組や社会人組がプロ入りを果たすと数年で情勢が変わってくる。
菅野をはじめ、野村祐輔(広島広陵高→明治大→広島)、菊池涼介(武蔵工業大第二高→中京学院大→広島)といった大卒組。さらには田中広輔(東海大相模高→東海大→JR東日本→広島)小林誠司(広島広陵高→同志社大→日本生命→巨人)、吉田一将(青森山田高→日本大→JR東日本→オリックス)といった社会人組が頭角を現してくる。今シーズンは井上晴哉(崇徳高→中央大→日本生命→ロッテ)もブレイクを果たした。
今シーズンを振り返ってみても中田がゴールデングラブ賞を受賞したものの、菅野が沢村賞などタイトルを複数受賞。丸がMVPにベストナイン、ゴールデングラブ賞。さらには菊池、田中もゴールデングラブ賞を受賞している。世代を牽引していくメンバーが入れ替わっているのだ。
しかし、唐川は今シーズン途中から中継ぎに転向し活路を見出した。由規も育成契約からの再起を目指している。まだまだ、主役を奪い返す力は残っているはずだ。節目の30歳となる来シーズン、1989年生まれ世代のさらなる切磋琢磨に期待したい。
(記事=勝田聡)