抜群のコンタクト力を発揮する成瀬 脩人(東海大菅生)!日々の意識付けが快打を生む
成瀬 脩人(東海大菅生)
抜群のコンタクト力を発揮する成瀬 脩人(東海大菅生)!
キューバ遠征する東京代表は木製バットを使う。まだ練習し始めて1か月、あるいは3週間ほどしか使っていない選手もいる。この時期だと打撃練習では鋭い打球を打てる選手も多くなるが、生きたボールを打つ実戦になると、まだまだ打たされたり、弱い打球になってしまう選手が多い。その中でも別格の対応力を見せているのが成瀬 脩人 (東海大菅生)だ。
成瀬は東京大会決勝後のセレクションからライナー性の打球を連発。早稲田大戦でも、レフトへクリーンヒット。日大三戦では第1試合で2安打、第2試合でも右前安打を放ち、計4打数3安打と結果を残した。打球の質が抜けており、三遊間へ抜けていくクリーンヒットの打球速度が金属バットで打つヒットと変わらないぐらい速く、凡退した打席でも鋭い当たりを放っており、前田監督は「成瀬はボールをとらえる能力が素晴らしい」と名将から絶賛を受けている。
成瀬は「木製バットも違和感なく振ることができています」としっかりとアジャストしている。とはいえ、短期間でも木製バットでもボールをしっかりとコンタクトして、実戦でも対応力の高さを示しているのか。それは日頃の打撃練習の意識付けにあった。前チームから試合に出場している成瀬だが、打ち損じが多かったことを反省。夏の大会が終わってからは、打撃練習でカウントや走者を置いた場面を自ら設定、あるいは心の中でシミュレーションして、狙い球を逃さず打つことを打ち続け、また練習試合や公式戦では相手投手のボールの軌道をイメージし、どうすればボールに合わせられるのかを考えてスイングをしてきた。その結果、秋季都大会6試合で22打数10安打、7打点と好結果を残し、木製バットでも同じイメージで、打つことができている。
日大三戦の2試合目から前田監督は1番打者として起用。
「一番良い状態の選手を1番で使いたい」と、成瀬は前田監督の期待に応え、その第1打席で技ありの右前安打を打つのだからさすがである。遊撃守備でも軽快な動きを見せ、来年のドラフト候補として期待を持たせる選手だった。日本国内の練習試合もあともう少し。キューバ遠征へ向けて万全の状態で仕上げ、キューバでは自分の名を世界へ広げる活躍を見せていきたい。