小園は「51」で背番号の物語を作ることができるか?
11月も下旬に差しかかり、多くの球団で新入団選手のお披露目が行われた。同時に背番号が発表されることも多く、新入団選手はプロ野球選手になった実感が湧いたはずだ。
入団時の背番号は期待の表れでもあり、とくにドラフト上位選手にとってその意味は大きい。吉田輝星(金足農高→日本ハム)は投手の代表的な番号でもある「18」、根尾昂(大阪桐蔭高→中日)は「7」とともに主力級の背番号を与えられた。
そして、小園海斗(報徳学園高→広島)は鈴木誠也が今シーズンまで背負っていた「51」を譲り受けている。
新たな背番号の物語は生まれるか
小園海斗(報徳学園)
広島の「51」を振り返ってみると本塁打王経験者の江藤智(1989年)、広島一筋で名球会入りを果たした前田智徳(1990年・1991年)、そして鈴木誠也(2013年〜2018年)と多くの実力者が着用していることがわかる。小園もその流れに乗って結果を残したい。
その広島は永久欠番を3つ制定している。衣笠祥雄の「3」、山本浩二の「8」、そして黒田博樹の「15」だ。いずれも球史に名を残したレジェンドたちの番号だ。
一方で代々受け継がれている番号には「1」がある。2013年まで前田智徳が着用しており、来シーズンからは鈴木がこの番号を背負うことになった。前田の前を見ても大下剛史、古葉毅(竹識)、金山次郎、白石勝巳など多くのレジェンドが着用してきた。
仮に小園が「51」で結果を残せば、新たな系譜として「51」も加わるはずだ。また、「51」で結果を残し、「1」を受け継いでいく流れが完全に出来上がるだろう。
他の球団でみると、ヤクルトに似たような例がある。青木宣親、山田哲人のふたりが「23」で結果を残し、ミスタースワローズの「1」を受け継いだルートのことだ。
背番号の継承はファンにも大きな夢を与える。小園が活躍することで、広島にもヤクルトと同じような背番号の系譜を作ることができるだろうか。数年後に新たな背番号の物語が生まれていることに期待したい。
(記事=勝田聡)