伊藤裕季也、島内颯太郎…大学で実力をつけプロ入りを勝ち取った選手たち
11月14日、明治神宮大会・大学の部は東都大学野球連盟所属の立正大学の優勝で幕を閉じた。立正大は9年ぶり2度めの出場で2度めの優勝を果たした。すなわち、明治神宮大会では未だに無敗となる。その立役者となったのは、10月に行われたドラフト会議でDeNAから2位で指名された伊藤裕季也だ。
DeNA2位の伊藤裕季也がチームを引っ張り秋王者に!
伊藤裕季也(立正大→DeNA2位)
この大会の伊藤裕は「ここぞ」の場面で1発を放ち、強打の二塁手、そして主将としてチームを引っ張った。1年目からレギュラー争いを繰り広げることになりそうだ。
その伊藤裕は名門・日大三出身だが甲子園の舞台に立ったことはない。3年時の2014年夏の甲子園では、西東京大会準決勝で東海大菅生高に6対12で敗れてしまう。その試合では東海大菅生高のマウンドには高橋優貴(巨人1位)も登っている。
伊藤裕も高橋もこのときにプロ志望届を出さずに進学を選択。大学での4年間を経て、来シーズンからプロの世界で戦うのだ。
その立正大から今回のドラフトで指名を受けたのは伊藤裕だけではない。小郷裕哉も楽天から7位指名を受けている。小郷は岡山県の関西出身で2度の甲子園に出場。高3時にはプロ志望届を提出し、プロ入りを夢見ていた。しかし、育成を含め名前を読み上げられることはなく、立正大に進学する。
大学で力をつけた小郷は3年時から試合に出場し始め、3年秋のシーズンではベストナインにも選ばれている。4年間の大学野球で、高校時から評価を上げドラフトにかかる選手にまで成長したのだ。
高校時にプロ志望届を出したのは小郷のみ
関西時代の小郷裕哉(楽天7位)
今回の明治神宮大会大学の部では伊藤裕、小郷のほかにもドラフトで指名された選手は出場していた。九州共立大の島内颯太郎(広島2位)、久保拓真(ヤクルト7位)、法政大の中山翔太(ヤクルト2位)の3人だ。また、試合出場はなかったが、東日本国際大の粟津凱士(西武4位)もベンチ入りしていた。
その4人も伊藤裕と同じように4年前の高校3年時にプロ志望届を出すことなく、進学を選んだのだ。高校3年時にプロ入りを果たせなくても、大学で結果を残し、チームを全国大会に導くことで指名を勝ち取ることができるという好例と言っていい。
今年もプロを目指していたが、プロ志望届を出さずに進学を選択した高校球児は多いはず。4年前の先輩たちのように、大学で力をつけ4年後に指名を勝ち取れることに期待したい。
(記事=勝田聡)