「負けたら終わりの危機感が世界一になるには必要」2年生・奥川恭伸(星稜)がアジア大会で学んだもの
奥川恭伸(星稜)
来年のワールドカップ出場がかかった大事な一戦が、10日に行われる。なかなかリズムに乗り切れない日本代表だが、何としても3位を死守したいところ。永田監督も連日、「3位を死守したい」という言葉を口にしている。
後輩たちのためにも何が何でも勝ちたいところ。その想いが一番強いのはもしかすると、唯一の2年生、奥川恭伸(星稜)かもしれない。
予選ラウンドの2戦目・スリランカ戦で登板した奥川。「自分の中で感触は良かった。」と初めての国際試合でのマウンドを振り返っている。
しかし東京では苦い経験をした。明治大戦で先発のマウンドに上がった奥川は5回4失点。大学生のレベルの高さを痛感した。
「久しぶりに滅多打ちにされたので、昨秋の北信越大会決勝(日本航空石川戦)を思い出しました」と自身にとって苦い思い出が蘇った。しかしその中でも課題を見出した。
「スライダーはコースに決まれば空振りが取れる。しかしストレートは甘いと100%打たれてしまう。コントールは回転といったストレートの質そのものを向上させないといけない」
甲子園では150キロを計測しているが、それをバッターにいかに速く感じさせるか。奥川にとっての課題が見えてきた。
そのために身体の柔軟性の改善も課題に挙げた。身体が柔らかければリリースポイントは打者に近づく。その結果、ストレートが速く見せられる効果があることが、奥川の狙いだ。
奥川恭伸(星稜)
あくまでストレートの球速アップではなく、質の向上を目指す奥川。他にも春の選抜優勝投手・根尾昂(大阪桐蔭)から最後の1年の過ごし方や、マウンド捌きなど先輩から多くのことを学び、吸収した。秋季大会までにはさらなるスケールアップが期待できる。
また話を聞いていて何より感じたことは、日本を背負う覚悟の強さだ。
「[stadium]甲子園[/stadium]で戦っていた時のような雰囲気。負けたら終わりという危機感や気迫が世界一には必要だと感じた」と落ち着いた口調とはまるで異なる強い覚悟を語った。
今回、唯一の2年生ながら、語った言葉は間違いなくエースでそのものある。来年に向けてすでに奥川の中で日本を背負う覚悟はできている。まずは中国戦に勝利して、来年のワールドカップの出場権を掴み取る。
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