創志学園・西はどうなる? 聖地に戻ってこれなかった2年生エースふたり
8月5日から甲子園球場を舞台に繰り広げられている第100回全国高校野球選手権大会。今大会もこれからの日本や球界を背負っていくであろう高校球児たちが熱いプレーを魅せてくれている。
エースで4番の野村が1発
甲子園を沸かせた西 純矢(創志学園)
さて、チームではなく選手にスポットを当てると、夏の甲子園において注目が集まるのはやはり、秋のドラフト候補となる3年生だろう。今大会では大阪桐蔭の根尾昂や藤原恭大(3年)ら1位候補がそれにあたる。しかし、甲子園で躍動しているのは3年生だけではない。創志学園の西純矢(2年)、日大三の井上広輝(2年)といった下級生投手たちも大舞台で結果を残している。
聖地に戻ってくることができなかったふたり
前橋育英時代の高橋光成
近年で代表的な下級生投手といえば、前橋育英の高橋光成(現西武)が思い出される。高橋光は2013年夏の甲子園において、初出場を果たした前橋育英で2年生ながらエースナンバー「1」を背負い、6試合に登板する。うち5試合で完投し防御率は0.36と圧倒的な存在感を放ち、チームを優勝に導いた。3年時に甲子園の舞台に立つことはできなかったが、ドラフト1位で西武に入団しルーキーイヤーから5勝(2敗)を挙げる活躍をみせる。ここ数年は伸びやなんでいるものの、21歳とまだ若い。これからの奮起に期待したいところだ。
高橋光の前年(2012年)には桐光学園の松井裕樹(現楽天)が、甲子園記録となる1試合22奪三振の偉業を達成する。その後も大きく曲がるスライダーを武器に「奪三振マシーン」と化した松井は、4試合で68三振を奪い、1大会最多奪三振ランキングの3位に名を刻んだ。3年時に甲子園出場はできなかったが、ドラフトでは5球団が競合とその注目度は高かった。プロ入り後もリリーフとして結果を残し、これまでに98セーブを記録している。今シーズンは不振に喘いでいるが復活し、まずは節目の100セーブ達成を期待したい。
このように高橋光、松井は2年時に名を残したが、3年時に甲子園の土を踏むことはできなかった。今大会、2年生で結果を残した西、井上らは地方大会から今まで以上に、厳しいマークを受けることになるのは間違いない。そのマークをかいくぐり、1年後に聖地・甲子園球場へ戻ってくることができるだろうか。1年後を楽しみに待ちたい。
(文:勝田 聡)