平成29年度愛媛県高野連監督研修会 「高校野球・次の100年へ」ティーボール講演会を開催!
愛媛県高野連監督研修会会場の様子
毎年1月、愛媛県高校野球の恒例行事となっている「平成29年度愛媛県高等学校野球連盟監督研修会」が1月20日(土)に愛媛県松山市の「にぎたつ会館」において開催された。
13時から始まった研修会は、宮部 隆彦・愛媛県高等学校野球連盟会長、久保田 俊郎・愛媛県高等学校野球連盟審判委員長のあいさつによる開会行事に続き、県外研修報告へ。松山南・阿部 真隆部長が「平成29年度甲子園塾」、松山商・重澤 和史監督が龍谷大平安(京都)、野村・坪倉 寿徳副部長が花咲徳栄(埼玉)での研修を映像を交え、それぞれの視点から振り返った。
休憩後の講演は昨年の同研修会でも議題に上った野球人口拡大策がテーマに。今年は「明るく、楽しく、ティーボール」の演題で新居浜西校長も務める日本ティーボール協会愛媛県連盟・村上 敏之幹事が登壇。少子化・野球人口の減少傾向や幼児教育現場の今も紹介しつつ、ティーボールの歴史・ルール(グラウンドは塁間16m&中堅40m・投手はなくティーの上に乗せたポリウレタン製ボールを打つ・10~15人でプレー・3イニング30分ゲーム&参加者全員が攻撃を終えた時に攻守交代・スライディング禁止など)を危険性が少ないバット・ボールも持ち込んで説明した。
また、村上幹事は1977年4月に小学校体育で廃止された「ベースボール型競技」が昨年6月の「小学校学習指導要領解説・体育編」改正によって復活、今後12年間小学校3~6学年で行われることになっていることにも言及。「高校野球部は子供たちにとって、ベースボール・エリート。高校野球の監督に子どもたちを教えてほしいし、引退後の3年生など高校球児に教える体験を作ってほしい」と呼び掛けた。
さらに質疑応答の時間では愛媛県高等学校野球連盟・二神 弘明理事長が「届を出してもらえれば、高校球児・指導者が小学生に対し、ティーボールを教えることができます」と明言。研修会終了後「今年選手権大会が100回を迎えるが、目線を変えて野球の楽しさを伝えることが、高校野球これから100年のスタートとなる」と二神理事長も振り返ったように、会場からは活発な質疑応答が交わされた。
昨年の同研修会でティーボール普及を呼び掛け、今治地区でティーボールを通じた小中高連携事業も試みる今治西・大野 康哉監督は力説する。
「野球は入り口の部分で経済的負担やわかりにくさがあるので、ティーボールのようなどこでもやれる特性のあるスポーツは突破口になりうる。私たちも指導のやり方を時代の要望に応じて変えていかなくてはいけないし、小中高で情報交換しながらティーボールを活性化していきたいです」
留まるところを知らない少子化傾向の中、野球人口減少はそれを上回るスピードで進行中。「野球王国」と言われる愛媛県でさえ、連合チームが秋・春は通常的に組まれるようになった現状を踏まえ、各指導者がどのような行動に移るのか?次の一手に、野球界の未来が委ねられている。
(取材・文=寺下 友徳)