【U-18】2014年のBFA 18Uアジア選手権をプレイバック !「結束」高めるも、無念のアジア準優勝
高橋光成投手(2014年 第10回 BFA 18Uアジア選手権時)
【U-18】2014年のBFA 18Uアジア選手権をプレイバック !「結束」高めるも、無念のアジア準優勝
いよいよ第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップが開幕。侍ジャパンの試合を楽しみにしているみなさんに、これまでのU-18日本代表の活躍を紹介行っている「プレイバックニュース」。本日は昨年行われた第10回 BFA 18Uアジア選手権を振り返る。
2014年の侍ジャパン18U代表。目指す頂は9月1日(月)から6日(土)までタイ・バンコクで開催される「第10回BFA18Uアジア選手権」の2011年に続く連覇である。
アジア連覇への動きは速かった。まず4月14日(月)には春夏8度の甲子園出場、2002年センバツ準優勝に鳴門工業高校(徳島)を導き、第1回WBC捕手ベストナインの里崎 智也(元・千葉ロッテマリーンズ)など数多くのプロ野球選手も輩出した鳴門渦潮高校の高橋 広監督が侍ジャパン18U代表監督に就任。コーチは2009年に中京大中京高(愛知)を夏の甲子園全国制覇に導き、稲葉 篤紀(侍ジャパントップチーム打撃コーチ)らを育てた大藤 敏行氏(中京大中京顧問)と選手・監督で沖縄尚学(沖縄)のセンバツ制覇を経験した比嘉 公也監督が両脇を固めることになった。
第96回全国高等学校野球選手権後に選抜された選手20名も、前年にチャイニーズ・タイペイで開催された「IBAF U18ワールドカップ」準優勝メンバーの1人である高橋 光成(前橋育英)をはじめ全て3年生でほぼベストに近い布陣を召集した。
その強さは近畿大・関西大の1・2年生チームに圧勝した国内合宿時から際立っていた。1次リーグに入ってもフィリピン・スリランカ・中国にいずれも無失点でのコールド勝ち。打線も3試合合計42得点と最高の状態でノックアウト方式の決勝ラウンドに臨んでいく。
迎えた準決勝のチャイニーズ・タイペイ戦は激戦となった。3回裏一死一塁から9番・淺間 大基(横浜3年)の右中間を深々と破る二塁打で先制した侍ジャパン18Uだったが、先発・高橋 光成が5回表に失策絡みで2点を失い試合は最終回へ進む。
絶体絶命の状況に追い込まれた彼ら。が、ここからの粘りは見事だった。高橋の後を継いだ小島 和哉(浦和学院3年)、岸 潤一郎(明徳義塾3年)の無失点リリーフに応えるべく無死から岸田 行倫(報徳学園3年)、岡本 和真(智辨学園3年)が連打。香月 一也(大阪桐蔭3年)の犠打が野選を誘い無死満塁。そして一死後、德本 健太朗(龍谷大平安3年)の当たりは三塁線を鋭く破り劇的な逆転サヨナラ勝ち。ミスをチーム全員でカバーし、勝ち取った決勝進出は「結束」が実を結んだからこそである。
しかし、韓国との決勝戦はさらに厳しい展開に。満を持して先発マウンドに立った左腕。森田 駿哉(富山商3年)が4回までに3失策が絡み無安打ながら2点を失うと、打線も7回・岡本の安打を契機に二死一・二塁から岸の適時打による1点止まり。8回裏の同点機にはスクイズを仕掛けるも最後まで1点が遠く、アジア連覇の夢は準優勝に終わった。
こうして目指す頂にはあと一歩届かなかった侍ジャパン18U。しかし、彼らがバンコクで涙は決して無駄なものではなかった。あれから1年が経過した今だからこそ、はっきりと言える。
まずNPBでは埼玉西武ドラフト1位指名を受けた高橋 光成が4試合で3勝1敗・防御率2.82。8月23日の千葉ロッテ戦では初完投勝利を初完封で飾った。
また、北海道日本ハム3位指名の淺間 大基は早くも一軍32試合に出場し95打数25安打8打点4盗塁。打率.263と奮闘。巨人ドラフト1位指名の岡本 和真も8月27日、巨人の高卒ルーキー野手としては2007年の坂本 勇人(侍ジャパントップチーム)以来となる一軍登録を果たした。
一方、大学球界では高橋 広監督が新監督に就任した早稲田大が3年ぶり5度目の大学日本一。そこに大きく貢献したのは1年春シーズンで3勝した左腕小島 和哉である。また、法政大1年の森田 駿哉も東京六大学史上3人目の開幕戦勝利など主戦として活躍。彼らが一年目から活躍できたのも、侍ジャパンの誇りを胸にシビアな戦いを経験してきたからに他ならない。
そして彼らの道は侍ジャパン大学代表やトップチームへ続き、彼らの魂は今年「第27回WBSC U-18ベースボールワールドカップ」を戦う侍ジャパンU-18へ受け継がれていく。
※成績は8月27日現在
■第10回 BFA 18Uアジア選手権 選手一覧
【投手 6名】 | |||||
岸 潤一郎 | きし じゅんいちろう | 明徳義塾 | 3年 | 175センチ75キロ | 右投げ右打ち |
森田 駿哉 | もりた しゅんや | 富山商 | 3年 | 183センチ79キロ | 左投げ左打ち |
山城 大智 | やましろ だいち | 沖縄尚学 | 3年 | 176センチ75キロ | 右投げ右打ち |
飯塚 悟史 | いいづか さとし | 日本文理 | 3年 | 185センチ76キロ | 右投げ左打ち |
高橋 光成 | たかはし こうな | 前橋育英 | 3年 | 188センチ82キロ | 右投げ右打ち |
小島 和哉 | おじま かずや | 浦和学院 | 3年 | 175センチ73キロ | 左投げ左打ち |
【捕手 3名】 | |||||
栗原 陵矢 | くりはら りょうや | 春江工 | 3年 | 175センチ67キロ | 右投げ左打ち |
岸田 行倫 | きしだ ゆきのり | 報徳学園 | 3年 | 175センチ76キロ | 右投げ右打ち |
岡田 耕太 | おかだ こうた | 敦賀気比 | 3年 | 173センチ80キロ | 右投げ右打ち |
【内野手 6名】 | |||||
安田 孝之 | やすだ たかゆき | 明徳義塾 | 3年 | 174センチ73キロ | 右投げ左打ち |
吉田 有輝 | よしだ ゆうき | 履正社 | 3年 | 173センチ70キロ | 右投げ左打ち |
安里 健 | あさと たける | 沖縄尚学 | 3年 | 182センチ81キロ | 右投げ右打ち |
峯本 匠 | みねもと たくみ | 大阪桐蔭 | 3年 | 172センチ72キロ | 右投げ左打ち |
岡本 和真 | おかもと かずま | 智辯学園 | 3年 | 183センチ95キロ | 右投げ右打ち |
香月 一也 | かつき かずや | 大阪桐蔭 | 3年 | 175センチ82キロ | 右投げ左打ち |
【外野手 3名】 | |||||
脇本 直人 | わきもと なおと | 健大高崎 | 3年 | 180センチ80キロ | 右投げ左打ち |
德本 健太朗 | とくもと けんたろう | 龍谷大平安 | 3年 | 177センチ71キロ | 右投げ左打ち |
淺間 大基 | あさま だいき | 横浜 | 3年 | 182センチ72キロ | 右投げ左打ち |
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【高校野球ドットコム編集部】
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