慶應義塾高校・上田誠監督が今夏限りで勇退!
【上田誠監督】
慶應義塾高校・上田誠監督が今夏限りで勇退!
5月23日、慶應義塾を春夏通じて4度の甲子園出場を導いた上田誠監督が今夏限りで退任することが分かった。上田監督は、湘南~慶應義塾大では投手・外野手として活躍。卒業後は、桐蔭学園副部長、厚木東監督、慶應義塾中副部長を経て、1991年に慶應義塾の監督に就任した。上田監督の野球といえば、「エンジョイ・ベースボール」。1998年にアメリカ留学を行い、そこで様々な理論を学んだ上田監督。アメリカの野球がベースとした指導で、2005年選抜で監督として初めて甲子園に出場し、左腕・中林伸陽投手の活躍によりベスト8進出を果たす。
そして2008年は非常に強い代だった。只野 尚彦、田村 圭の好投手2人、主砲・山﨑錬など好選手を揃え、春夏連続出場。夏は松商学園、高岡商、青森山田を破り、ベスト8入りを決めた。その後も神奈川県を代表する強豪校として、強豪私学と白熱した勝負を見せてきた。この春も、優勝した東海大相模(試合レポート)に0対4と善戦。今年も甲子園出場に期待がかかる好チームである。
今年は横浜の渡辺元智監督も今夏限りで退任。長く神奈川の高校野球を盛り上げてきた2人の指導者の勇退に、神奈川の高校野球は世代交代を迎えようとしている。
<上田監督が就任してから主な卒業生>
佐藤 友亮(慶応大-埼玉西武ライオンズ)
中林 伸陽(慶応大-JFE東日本)
山崎 錬(慶応大-JX-ENEOS)
白村 明弘(慶応大-北海道日本ハムファイターズ)
谷田 成吾(慶応大)
加藤 拓也(慶応大)
【プチ情報!今後が楽しみな若手指導者たち!】
今年にかけて名将の勇退が多く、世代交代が進んでいる。ここで20代~30代の方で、実績を挙げている指導者と今後の活躍が楽しみな指導者を紹介していきたい。30代で圧倒的な実績を残しているのが作新学院の小針崇弘監督(32歳)だ。2006年秋、23歳の時に作新学院の監督に就任した小針監督は、2009年夏に甲子園出場。
その後、2011年~2014年まで4年連続で夏の甲子園出場を果たし、甲子園10勝を挙げ、同校を再び甲子園常連校に育て上げている。20代の監督を挙げると、駒大苫小牧の佐々木 孝介監督が有名だ。2004年、選手として駒大苫小牧の初優勝を経験。2009年に同校の監督に就任し、2014年選抜出場を果たし、甲子園1勝を挙げている。四国では、この春の四国大会で、徳島城北・藤井 肯人監督(27歳)と、高知中央・河内 紘宇監督(23歳)による「公式戦初采配20代監督対決」が実現している。
神奈川県では、名門校出身の選手が監督・部長を務める流れが進んでいる。2003年春の選抜準優勝の横浜の主将だった吉田 斉氏(30歳)は現在、横浜商の部長として名門復活を託されている。また吉田氏は、2013年の18Uで、アシスタントコーチとしてチームに帯同するなど、その指導力は高く評価されている。また涌井秀章投手とバッテリーを組んだ村田 浩明氏(29歳)も白山高校の監督としてチームを強化している。
その他、2000年の東海大相模の選抜優勝メンバーだった野原 慎太郎氏(33歳)は大師高校の監督として力のあるチームを育てている。東海大相模つながりだと、東京都の駒込を率いる金丸 健太監督(28歳)もいる。さらに神奈川つながりだと、昨年まで向上のコーチを務めていた中川 将志氏(25歳)が千葉県の暁星国際の監督に就任。かつては強豪だった暁星国際も、近年、初戦敗退が続くチームだった。だがこの春、1年生が15人入部し、再び強化が行われている。
名門校の20代監督を挙げると國學院久我山の尾崎 直輝監督(25歳)が注目だ。2013年8月に監督に就任した尾崎監督は、昨夏、西東京大会ベスト4進出に貢献。この春も本大会3回戦で帝京とタイブレークとの接戦を演じるなど、力のあるチームを育てている。こうしてみると全国各地で指導者の世代交代は進んでいる。
■高校データ:慶應義塾高等学校
【高校野球ドットコム編集部】
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