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【センバツ】意図通り！県立岐阜商・高橋純平、3安打完封の投球を振り返る！

2015.03.28

県立岐阜商（岐阜）と、近江（滋賀）が対戦！

　3月28日、第87回選抜高校野球大会の第8日目第1試合は、松商学園（長野）を4対1で破った県立岐阜商（岐阜）（試合レポート）と、九産大九州（福岡）を2対0で破った近江（滋賀）（試合レポート）が対戦。

　県立岐阜商の高橋純平はストレートに強いこだわりを持っている。どんなこだわりかといえば、打たれにくいストレート。スピードガンの数字にこだわりがない。昨夏、力の投球にこだわるあまり、岐阜大会準決勝・大垣日大に打ち込まれ甲子園行きを逃し、悔しい経験を味わっているからだ。そこからの高橋は脱力したフォーム、感覚を追求し、自分の意図通りに投げ込むことができるよう試行錯誤をしてきたのだ。近江戦の投球は松商学園戦に比べると意図通りの投球ができていたといえるだろう。常時140キロ～140キロ前半のストレートでカウントを取ったかと思えば、追い込んでから140キロ後半のストレートで空振りを狙う配球。

　また2回裏には日比涼介に対し、隠し持っていたスプリットで空振り三振を奪うなど、少しずつ自分の引き出しを増やしているように見えた。とはいっても、スプリットは多投せず、あくまでストレート中心の組み立てだ。そして時折使う、100キロ台のカーブも効果的。ストレートと40キロ違う。それは打者にとって大きな戸惑いになる。取材したとき、高橋の投球練習を見る機会があったが、この時はストレートとカーブの割合は半々ぐらいで、しっかりとカーブを投げている練習をしていたのだ。今ではスライダー全盛の時代で、カウント球にスライダーを使うことが多いが、高橋はストレートでカウントを作り、カーブでアクセントをつける目的で、意識しながら大会に向けて仕上げていたのだ。

　9回裏でもストレートの勢いは全く衰えず、149キロを計測するばかりか、打者の手元ですっと伸びるストレートは健在で、最後は空振り三振で試合を締め、見ている者を魅了させる素晴らしいピッチングであった。ストレートとカーブのコンビネーションと、まるで昭和時代の投手を彷彿とさせる組立てだが、それを成り立たせるために脱力しながら、リリース時に一気に上半身を回旋させる打ち難いフォームを作り上げてきた。

　準々決勝は明日29日の第3試合、浦和学院と対戦するが、対応力が格段に高い浦和学院打線に対し、高橋はどう投球を組み立てていくのか、注目だ。