【センバツ出場校分析】県立静岡高等学校（静岡）

安本 竜二（静岡）

【チーム構成の特徴】

秋季大会登録は23人。その内、右投げ左打ちは10人で、左投げ左打ちも5人いる。レギュラー格は6人が左打者。
全選手が静岡県出身。その内4人が学校所在地の静岡市出身。私立中学の卒業生は2人いる。

【ディフェンス面】
チーム防御率3.15は32校中最下位、1試合平均失点3.71は31位だった。
下級生エースの村木 文哉は夏の甲子園でもベンチ入りしていた。秋は10試合に登板して7完投。その内、3試合が完封だった。防御率3.24は出場校の主力投手で4番目に高い数字だが、静岡県大会決勝以降の5試合で数字を悪くしてしまった印象だ。
捕手の堀内 謙伍は夏もマスクを被っていた選手。1試合平均許盗塁は0.68。静岡県大会準決勝以降の6試合で許した盗塁は1個だけだった。

【オフェンス面】
1試合平均の得点12.11、平均安打16.78、平均盗塁3.89、チーム打率0.419、チーム本塁打12と5部門で出場校中1位となり、攻撃力がはっきりと数字で示された。11試合中9試合が二桁安打で、全151安打に占める長打の割合は31.1%で7位となっている。
7番・廣瀬 舜の打率0.541は32校の主力選手の中で3位。本塁打は4番・安本 竜二の4本が全選手トップで、9番鈴木 嘉基の3本は2位。安本は長打率でも0.947で32校の主力選手の中でトップに立った。長打率から打率を差し引くと0.500となり、これもトップ。長打の割合は52.9%となる。

4番の堀内 謙伍も長打の割合が50%ある強打者。安本とならび14打点を挙げた3番、4番は相手投手にとって脅威となるだろう。
足で魅せる選手も多い。盗塁は公式戦後半になるにつれて多くなってきている。強豪相手でもしっかりと盗塁を決められている証拠と言えるだろう。

東海大会では1番から6番まで夏の甲子園でスタメンだった選手が並んだ。果たして春はどうなるか？？

【戦い方から見える傾向】

夏の甲子園は大会2日目の8月12日で終了。主力が多く残った新チーム初戦は8月16日だった。オフェンス部門は軒並み上位に名を連ねる強打が自慢だが、新チーム当初は興譲館に0対6で完封負けする試合もあった。本領を発揮し始めたのは公式戦に入っていからという印象を受ける。
公式戦に入ると、コールドゲームで圧勝する試合が続く。結局11試合の内、8試合がコールドゲームで、この数は仙台育英と並んで32校で最も多い。1試合あたりの平均イニングは7.36で、こちらは大阪桐蔭に次いで2番目に短いイニングで試合が終わったことを示している。
県立岐阜商業との東海大会決勝は、お互いエースを先発に立てての継投策をとったことと、延長12回までもつれたこともあり、攻撃の数字が際立つ結果となった。