広陵と広島商　昭和も令和もライバル【ふるさとの夏物語～昭和編】

真鍋 慧（広陵）、植松 幹太（広島商）

　2022年も高校球児の目標、夏の甲子園への道がスタートした。今年は「古豪」と言われるチームの復活が話題のひとつとなっているが、「昭和」の時代、1927年（昭2）13回大会から1988年（昭63）70回大会を駆け抜けた代表校を中心に夏の甲子園出場校を振り返る企画「ふるさとの夏物語～昭和編」。今回は広島を紹介する。

　昭和時代に夏甲子園に出場したチームの出場回数上位ランキングは以下の通り。

1位　広島商　16回
2位　広島広陵　14回
3位　呉港　6回

　昭和の時代のみならず、広島の高校野球は広島商と広島広陵の永遠のライバルがリードしてきた。互いに切磋琢磨することで強くなり、広島代表として全国の舞台で強さを発揮し甲子園で頂点に立ってきた。

　令和の時代になった今年のチームでも「相変わらず」だ。昨年秋の広島県準決勝で対決し広島商が8対4で勝利。ともに中国地区大会に出場し決勝で対戦。今度は広島広陵が7対0で勝利した。今年のセンバツには「仲良く」2002年以来、20年ぶり5度目の両校同時出場を果たした。今年の春は広島商が初戦敗退（対尾道）して対決はなかった。ちなみに、過去、広島県夏の大会のこの両校の対戦成績はともに譲らず17勝17敗（20年の独自大会を含む）。つまり全くの五分。今夏も俄然盛り上がるというものだ。

　広島商は昭和の時代、5度夏の甲子園を制した。最後の優勝は1988年（昭63）、福岡第一との決勝で1対0の勝利。大会新の26犠打を残して頂点に立った。金属バットでの強打がトレンドのなか「広商野球」を貫いた結果だった。

　一方、広島広陵はセンバツで3度の優勝はあるが、夏は1度も頂点に立っていない。3度決勝に臨んだが、いずれも敗退した。昭和で最初の大会となった1927年（昭2）にエース八十川 胖投手を擁して挑んだ決勝は高松商（香川）の前に敗れ、宇根 洋介投手を擁して臨んだ1967年（昭42）では決勝で習志野（千葉）に屈した。昭和ではないが2007年（平19）決勝で佐賀北に逆転満塁弾を浴びて敗れたことは記憶に新しい。

　ちなみに夏の代表回数も、現在この2チームが23回で並んでいる。今年の夏、もし対決となれば決勝の舞台。両チームの戦いぶりから、ますます目が離せない。

　広島県初代表は広島中（現・国泰寺）。初勝利は広島商。最高成績は優勝で広島商が6回、呉港が1回マークしている。広島県勢の通算成績は119勝77敗1分けで、勝利数の都道府県ランキングは9位。

★広島県勢の代表回数上位ランキング（複数回以上）
1位　広島商　23回
1位　広島広陵　23回
3位　如水館　7回
4位　呉港　6回
5位　広島工　5回

★広島県勢の甲子園勝利数上位ランキング（複数勝利以上）
1位　広島商　43勝（優勝6回、準優勝1回、4強1回、8強2回）
2位　広陵　34勝（準優勝4回、8強6回）
3位　呉港　11勝（優勝1回、8強3回）
4位　広島工　6勝（8強1回）
5位　如水館　5勝（8強1回）

【広島の夏甲子園出場校一覧】
1回　1915（大4） 広島中
2回　1916（大5） 広島商
3回　1917（大6） 広島商
4回　1918（大7） 広島商
5回　1919（大8） ー
6回　1920（大9） ー
7回　1921（大10） ー
8回　1922（大11） 広島商
9回　1923（大12） 広陵中
10回　1924（大13） 広島商
11回　1925（大14） ー
12回　1926（大15） ー
13回　1927（昭2） 広陵中
14回　1928（昭3） 広陵中
15回　1929（昭4） 広島商
16回　1930（昭5） 広島商
17回　1931（昭6） 広陵中
18回　1932（昭7） 大正中
19回　1933（昭8） 大正中
20回　1934（昭9） 呉港中
21回　1935（昭10） 呉港中
22回　1936（昭11） 呉港中
23回　1937（昭12） 呉港中
24回　1938（昭13） ー
25回　1939（昭14） ー
26回　1940（昭15） ー
27回　1941（昭16） 戦争のため中止
　　　1942（昭17） 戦争のため中止
　　　1943（昭18） 戦争のため中止
　　　1944（昭19） 戦争のため中止
　　　1945（昭20） 戦争のため中止
28回　1946（昭21） ー
29回　1947（昭22） ー
30回　1948（昭23） ー
31回　1949（昭24） ー
32回　1950（昭25） 呉阿賀
33回　1951（昭26） ー
34回　1952（昭27） ー
35回　1953（昭28） ー
36回　1954（昭29） 三原
37回　1955（昭30） ー
38回　1956（昭31） 広島商
39回　1957（昭32） 広島商
40回　1958（昭33） 尾道商
41回　1959（昭34） 広島広陵
42回　1960（昭35） 盈進商
43回　1961（昭36） 崇徳
44回　1962（昭37） 広島広陵
45回　1963（昭38） 広島広陵
46回　1964（昭39） 広島広陵
47回　1965（昭40） 広島広陵
48回　1966（昭41） 広島商
49回　1967（昭42） 広島広陵
50回　1968（昭43） 広島広陵
51回　1969（昭44） 広島広陵
52回　1970（昭45） 広島商
53回　1971（昭46） 広島広陵
54回　1972（昭47） 広島広陵
55回　1973（昭48） 広島商
56回　1974（昭49） 盈進
57回　1975（昭50） 広島商
58回　1976（昭51） 崇徳
59回　1977（昭52） 広島商
60回　1978（昭53） 広島工
61回　1979（昭54） 広島商
62回　1980（昭55） 広島広陵
63回　1981（昭56） 広島商
64回　1982（昭57） 広島商
65回　1983（昭58） 広島商
66回　1984（昭59） 広島商
67回　1985（昭60） 広島工
68回　1986（昭61） 広島工
69回　1987（昭62） 広島商
70回　1988（昭63） 広島商
71回　1989（平1） 近大福山
72回　1990（平2） 山陽
73回　1991（平3） 西条農
74回　1992（平4） 広島工
75回　1993（平5） 西条農
76回　1994（平6） 山陽
77回　1995（平7） 宮島工
78回　1996（平8） 高陽東
79回　1997（平9） 如水館
80回　1998（平10） 如水館
81回　1999（平11） 如水館
82回　2000（平12） 瀬戸内
83回　2001（平13） 如水館
84回　2002（平14） 広島広陵
85回　2003（平15） 広島広陵
86回　2004（平16） 広島商
87回　2005（平17） 高陽東
88回　2006（平18） 如水館
89回　2007（平19） 広島広陵
90回　2008（平20） 広島広陵
91回　2009（平21） 如水館
92回　2010（平22） 広島広陵
93回　2011（平23） 如水館
94回　2012（平24） 広島工
95回　2013（平25） 瀬戸内
96回　2014（平26） 広島広陵
97回　2015（平27） 広島新庄
98回　2016（平28） 広島新庄
99回　2017（平29） 広島広陵
100回　2018（平30）広島広陵
101回　2019（平31）広島商
102回　2020（令2）（コロナで中止）
103回　2021（令3） 広島新庄

※広島中＝現・広島国泰寺
　広陵中＝現・広島広陵
　大正中、呉港中＝現・呉港
　呉阿賀＝現・呉工
　盈進商＝現・盈進