ヤクルト期待の高卒3年目が原動力 仙台大エースだけが持つ特別なモノ
仙台大・川和田 悠太(八千代松陰出身)
2022年はヤクルトが2年連続でセ・リーグを制した。日本一のタイトルこそオリックスに明け渡したが、強さを見せつけた。主砲・村上 宗隆内野手(九州学院出身)の活躍はもちろんだが、高卒3年目・長岡 秀樹内野手(八千代松陰出身)の飛躍も大きなポイントだろう。
入団して2年間でヒットはわずか1本だったが、3年目の2022年シーズンは一気に123安打。139試合に出場を果たし、主力選手の仲間入りを果たした。今やヤクルトにとって欠かせない存在となっているが、東京からおよそ350キロ離れた仙台にも、長岡の存在が支えになっている選手がいた。
「秀樹からは刺激をもらっていますし、大学の練習でも頑張る糧になっています」
東北の大学野球界で躍進を見せている仙台大でエース格を担っている川和田 悠太投手(八千代松陰出身)は、長岡とは八千代松陰時代のチームメートで、最後の夏はともに主力選手として専大松戸(千葉)に勝つなど、千葉大会で準優勝に輝いた。
甲子園を目指した旧友が、いち早くNPBの世界で活躍している姿には「毎日刺激をもらっていますし、『自分も練習頑張ろう』って思います」と4学年200人近くの超大所帯・仙台大の激しい競争を勝ち抜く原動力となっている。
その一方で、「いちファンです」と、仙台大の球桜寮に長岡の名前と、2022年シーズンまで使っていた背番号58がプリントされたタオルを持ち込んでいる。部屋にも飾っているといい、ふとした時に見つめて刺激をもらっているという。
思いがこもったタオルだが、川和田のものは少し特別で、下のところにはサインが入っている。「ドラフト指名されてから1か月後くらいに書いてもらいました」という。
NPBに入って3年経ってサインは変わっているし、背番号も2023年から7番に変わる。「3年間限定の貴重なものになりました」と笑う特別な思い出の品に力をもらって、川和田は大学野球最後の1年に挑む。「チームが全国大会に出場して、そこで仲間が活躍できるように、自分が結果を残して全国に連れていけるような勝ち続けられる投球をしたいです」と落ち着いた口調ながら、全国への熱い思いをぶつけた。
旧友・長岡が日々活躍する学生野球の聖地・神宮球場で、川和田の投球が見られるか。2023年シーズンの活躍を楽しみにしたい。