東京の高校野球の公式戦でも使われるスリーボンドスタジアム上柚木の球速表示で140キロ台を連発。特に7回の最後の1球は145キロを計測。これだけのスケール感を持つ怪腕1年生が大学準硬式の世界にいた。

 強豪・中央大の大山 北斗投手(興南出身)。興南時代は制球力重視の投球スタイルで、最速141キロの快速球を駆使して興南の主力投手として活躍した。しかし現在は、「スピードが出るようになって変えました」と最速147キロまで引きあがった剛速球で打者を圧倒し、三振を狙う本格派スタイルにモデルチェンジ。21日の日体大戦では三振1つだったが、快速球で強烈なインパクトを残した。

 ノーワインドアップから勢いよく左足を上げつつ、一度目線を切ると、左半身で壁を作って開きを抑えると、一気に腰を回転させて、右腕を生きよく振り抜いていくのが印象的なフォームだ。

 地元は京都。林 優樹投手(近江出身)と同じ向島シャークスでプレーしていた経験があるが、高校では興南へ進んだ。慣れない寮生活に苦戦を強いられながらも、3年生春にはベンチ入り。Wエースの1人まで数えられるところまで伸び、大学では硬式野球を継続するつもりだった。

 東都や東京六大学でプレーする青写真を描いていた大山のところに、中央大準硬式の池田監督が現れた。

 当時の大山は準硬式の存在は知らず、池田監督に出会って初めて知ることになった。準硬式のことはあまりわかっていなかったが、熱心に声をかけてくれたことに「何かの縁だろう」と思うようになり、中央大の準硬式の世界に飛び込んだ。

 レベルの高さには驚きながらも、走り込みなどの下半身強化。さらに池田監督からの指導で1合のおにぎりを夜食で摂るなど、フィジカル強化をしたことで、入学して3か月で体重は4キロ増加。「低めの球が伸びるようになってきました」と最速147キロまで引きあがったことを含めて、パフォーマンスにも良い影響を与えている。

 準硬式に変わり、パフォーマンスも向上。確実に興南時代から成長しているが、変わらない興南の教えもある。
 「我喜屋監督から『逆境から逃げるな』ということは言われましたが、今も心に残っています。
 夏の大会前に言われましたが、どれだけピンチでも向かっていけば、華が咲くという意味合いで言葉をかけてもらいました」

 21日の日体大戦でも8回に得点圏にランナーを背負うピンチだったが、向かっていく強気な投球で無失点。チームに勢いを与える投球で勝利に貢献した。

 球は違えど、亜細亜大の硬式には同じ興南の投手である山城京平投手がいる。「山城には負けたくないです」と戦う舞台は違うが、高校時代の仲間に闘志をむき出していた。

 これでまだ1年生。とんでもない怪腕が、これからどれだけ大学準硬式を盛り上げるのか楽しみで仕方ない。