大谷翔平と高校日本代表でプレーしたスラッガーが首位打者獲得 都市対抗優勝決める一打など存在感放つ
東京ガス・笹川 晃平(浦和学院出身)
<都市対抗野球:東京ガス6-5Honda熊本>◇9日◇決勝◇東京ドーム
エリート街道を歩んできた社会人5年目のスラッガーに、新たな栄冠が加わった。
都市対抗決勝戦に臨み、悲願の初優勝を飾った東京ガス。目指してきた黒獅子旗を遂に手にすることができた。ここに大きく貢献したのが、6番に座った笹川 晃平外野手(浦和学院出身)だった。
5対1で迎えた6回、この試合3打席目を迎えた笹川は、1ボール1ストライクから捉えた球を左中間へ運んだ。
打球を見てまもなく、笹川はゆっくりと打球の行方を見ながら走り出した。打球速度170キロを計測した鋭い打球は、ぐんぐん伸びて勢いを落とすことなく左中間スタンドへ。ダメ押しとなる推定飛距離126メートルの文句なしのホームランで6対1とした。
結果としてその後、Honda熊本の猛追を受けて6対5と1点差まで詰め寄られながら逃げ切って優勝を決めた。笹川のホームランがなければ、9回表で優勝を決めることはできなかった。まさに優勝を決めた一発と言っていい。
笹川は中学時代、小山ボーイズで関東大会優勝を経験。浦和学院でも甲子園を経験し、U18代表にも選出。東洋大に進学後は1年生春から4番に抜擢され、戦国東都の世界でも、まれながらU21代表も経験するなど成長を続けた。
東京ガスに入社後もすぐに4番に起用され、学生野球で培われた打撃を高く評価されてきた。プロ入りは叶っていないが、社会人日本代表を2度経験するなど、野球人であれば誰もが羨むエリート街道を歩み続けてきた。
そして唯一、まだ社会人でのタイトルがない中で迎えた9日の決勝、見事優勝に導くホームランを放った。首位打者にも輝くなど、主砲としてふさわしい活躍を残した。
打率.417と好成績を残したが、ホームラン以外の打席の内容を振り返ると、2打席目はファーストライナーに倒れたが、追い込まれてから引き付けて上手くはじき返した。8回の4打席目もセンターフライだったが捉え方がよく、首位打者獲得もうなずける調子の良さだったのは、外から見てもわかった。
1994年生まれの笹川、高校時代にともに日の丸を背負ったMLBエンゼルス大谷 翔平(花巻東出身)はメジャーでMVPを受賞。U21代表でともにプレーした広島・鈴木 誠也外野手(二松学舎大附出身)は、来季からメジャー挑戦を目指している。
アマチュア野球界屈指のスラッガーとなった笹川が、2022年シーズンもこの2人をはじめ同年代に負けじと活躍することを楽しみにしたい。