日本ハムでは鉄壁の中継ぎ・宮西尚生の復活と剛腕・田中正義の奮起に期待
宮西 尚生
2023年シーズンが開幕した。長いシーズンを戦う上での準備期間にあたるオープン戦で昨シーズンは不本意な成績に終わりながらも、結果を残している選手たちが各球団に複数いる。
BIG BOSS改め新庄 剛志監督が率いる日本ハムはオープン戦を2位で終えた。そのなかで宮西 尚生投手(市立尼崎出身)の存在感が光った。
昨シーズンの宮西は苦しんだ。ルーキーイヤーだった2008年から続いていた連続50試合以上登板もストップ。24試合の登板でホールドはわずかに7つ。防御率も自己ワーストの5.66。今年6月に38歳という年齢を考えれば復調するのも難しいかとも思われた。
しかし今年の宮西はひと味違う。オープン戦6試合で6回を投げ無失点。安打は1本も打たれておらず、奪三振は6個。1イニングに何人の走者を出したかを表す指標のWHIPは0.17。ほぼ完璧にオープン戦期間を終えた。通算808試合に登板してきたレジェンドが新球場で復活を遂げそうだ。
ソフトバンクから新加入した田中 正義投手(創価高出身)も好投を見せた。田中は2016年ドラフト1位で入団も昨年までは通算34試合の登板で防御率4.25と不本意な成績に終わっている。昨シーズンも防御率0.00だったものの登板はわずか5試合にとどまっていた。
心機一転となった日本ハムでは、30日の開幕戦から登板した。敗れた試合とはいえ2点ビハインドで迎えた9回の1イニングを3人で終わらせ無失点に抑えた。オープン戦通算では7試合の登板で10.2回を投げ、防御率0.84と結果を出した。150キロを超える直球は威力抜群。勝ちパターンはもちろん、守護神を務めてもおかしくない投球を続けていた。
新庄監督は勝ちパターンを明言しておらず、「決めなくてもいいんじゃないか」と調子の良し悪しであったり、相手との相性で決める趣旨の発言もしていた。
オープン戦の調子を見る限り宮西と田中のふたりは、僅差のゲームに投げる役割として起用されそうだ。
<2022年シーズン成績>
宮西尚生
24試合(20.2回)0勝3敗7H 防御率5.66
田中正義
5試合(5回) 0勝0敗1H 防御率0.00
(記事=勝田 聡)