巨人では移籍のオコエとともに、大江と鍵谷が復活の兆し
高校時代のオコエ 瑠偉(関東一)
2023年シーズンの開幕も目前となった。長いシーズンを戦う上での準備期間にあたるオープン戦で昨シーズンは不本意な成績に終わりながらも、結果を残している選手たちが各球団に複数いる。
巨人は現役ドラフトで楽天から加入したオコエ 瑠偉外野手(関東一出身)が開幕1軍どころか、レギュラーを奪取しそうな勢いだ。昨シーズンのオコエは、わずか6試合の出場で打率.200(25打数5安打)と不本意な成績に終わった。
しかし移籍1年目の今年は2月の対外試合開始から絶好調。対外試合で13試合連続安打を記録するなど、オープン戦では打率.310(42打数13安打)と打撃面で猛アピールしている。巨人の外野は中堅のブリンソン、右翼の丸 佳浩外野手(千葉経大附出身)は、ほぼ確定。
オコエは左翼のレギュラーをウォーカーや松原 聖弥外野手(仙台育英出身)、長野 久義外野手(筑陽学園出身)らと争う立場だった。しかしオープン戦最終盤にウォーカーと松原は2軍降格となっており、「1番・左翼」での開幕スタメン候補筆頭だ。
投手陣では中継ぎの大江 竜聖投手(二松学舎大附出身)と鍵谷 陽平投手(北海出身)が復調してきた。変則左腕の大江は昨シーズンわずか3試合の登板にとどまった。これは1軍デビューを果たした2019年以降で最少の数字でもある。
しかし今年はここまでのオープン戦で6試合に登板し無四球無失点。左のワンポイントとしての起用だけではなく、6試合の半分にあたる3試合は1回をしっかり投げきっている。高梨 雄平投手(川越東出身)や今村 信貴投手(太成学院大高出身)らとともに中継ぎ左腕の枠を争っている。
2021年には59試合に登板し防御率3.19とフル回転した鍵谷だが、昨シーズンはコンディション不良により出遅れたことでプロ入りワーストタイとなる21試合の登板にとどまった。同時にホールドポイントも18から5へ減少した。だが、今シーズンはここまで8試合に登板し防御率0.00と好投を続けている。この状態ならホールドの記録される僅差リードの勝ちパターンを任される可能性も十分にありそうだ。
巨人は中継ぎ陣に苦労した昨シーズンだったが、オープン戦で無失点を続ける大江と鍵谷のふたりが戦力として計算できれば、この上なく大きい。覇権奪回へ向け実績のある中継ぎふたりが完全復活を目指す。
<2022年シーズン成績>
オコエ 瑠偉
6試合 打率.200(25打数5安打) 0本塁打 0打点
大江 竜聖
3試合(5.1回)0勝0敗 防御率1.69
鍵谷 陽平
21試合(17回)2勝0敗3H 防御率3.71
※数字は2023年3月28日終了時点
(記事=勝田 聡)