ヤクルトで「復活」をかける、青木、濱田、成田に注目
高校時代の 濱田 太貴(明豊)
2023年シーズンの開幕も目前となった。長いシーズンを戦う上での準備期間にあたるオープン戦で昨シーズンは不本意な成績に終わりながらも、結果を残している選手たちが各球団に複数いる。
セ・リーグ3連覇を目指すヤクルトは、青木 宣親外野手(日向高出身)が絶好調だ。昨シーズンは新型コロナウイルスによる離脱もあり、81試合とルーキーイヤー以来となる100試合以下の出場に終わった。打率.248(222打数55安打)もルーキーイヤーを除くとNPBではキャリアワースト。昨シーズン40歳だったことを考えると妥当な数字なのかもしれないが、青木の実績からすると物足りなかったのは否めない。
しかし今年はそんな不安を一蹴するかのように、オープン戦15試合で打率.313(32打数10安打)と結果を残している。昨シーズンまでの沈み込むフォームから、立った状態のような新フォームで手応えをつかみつつあるようだ。現在41歳の大ベテランだが、左翼のレギュラー候補筆頭だ。
その青木を追いかけるのが濱田 太貴外野手(明豊出身)。昨シーズンは73試合の出場で6本塁打と、ともにキャリアハイの数字だったが、9月10日に登録を抹消されて以降はポストシーズンを含めて1軍での出場がなかった。
しかしこのオープン戦では17試合の出場で打率.302(53打数16安打)、2本塁打と好調。また二塁打も8本放っている。規定打席外を含めても長打率.566はチームトップで持ち前のパンチ力に磨きがかかっている。昨シーズン苦しんだふたりがオープン戦でアピールし、しのぎをけずっている。
投手では現役ドラフトで加わった成田 翔投手(秋田商出身)が4試合に登板。初登板こそ1点を失ったが、その後の3試合ではともに無失点。3月19日の阪神戦では、2死一、二塁で佐藤 輝明内野手(仁川学院出身)を迎えたところでマウンドに登りしっかりと三振に打ち取り役割を果たした。ロッテに在籍していた昨シーズンは1軍での出場がなかったが、田口 麗斗投手(広島新庄出身)と久保 拓眞投手(自由ケ丘出身)が中心だった左の中継ぎ枠に成田も加わらんとしている。
大ベテランの青木、これからレギュラーをつかもうとする濱田、新天地で復活にかける成田と立ち位置は異なる。このままオープン戦で結果を残し開幕1軍入りから、昨シーズンの不本意な成績を払拭するような活躍に期待がかかる。
<2022年シーズン成績>
青木 宣親
81試合 打率.248(222打数55安打) 5本塁打 22打点
濱田 太貴
73試合 打率.206(141打数29安打) 6本塁打14打点
成田 翔※ロッテ
1軍出場なし
※数字は2023年3月26日現在
(記事=勝田 聡)