
大谷翔平
<WBC:日本ーイタリア>◇16日◇準々決勝◇東京ドーム
侍ジャパンの大黒柱、大谷 翔平投手(エンゼルス=花巻東出身)がマウンドで、打席でチームを鼓舞した。投手としては5回途中2点を失ったところでマウンドを下りて、満足な結果ではなかったが、71球には魂がこもっていた。
マウンドで1球1球、声を出して気合のこもった投球を見せた。最速は164キロ。空振りの三振を奪った1球で球場がどよめいた。球場に響き渡るほどの声を出して魂を込めた投球を続けると、内野手守備でも次々と好プレーが連発。大谷の気合の投球に応えるように、守備陣も気合の入ったプレーを見せた。
打席では「つなぎ」の打撃を見せた。3回1死一塁で迎えた2打席目に、なんとバントを試みた。走者がいても極端に右に寄った内野守備の穴を狙うように、三塁側へセーフティーバント。驚いた投手が慌てて一塁へ投げたことで悪送球になり、一、三塁と一気にチャンスが膨らんだ。
世界に誇る打者が勝利のために、チームのためにバントでチャンスを広げる姿に打線も応えた。1点を先制して迎えた2死一、二塁で打席に入った岡本 和真内野手(巨人=智辯学園出身)が3ラン。大谷のチームプレーが4点先制のイニングを生んだ。