万波中正(横浜出身)

 日本ハムではこの春、万波 中正外野手(横浜高出身)が躍動している。横浜高出身でプロ入り5年目を迎えた万波は、3月12日終了時点で清宮 幸太郎内野手(早稲田実業出身)と並び、オープン戦トップタイの3本塁打。それだけではない。サポートメンバーとして侍ジャパンに参加し出場した中日戦(バンテリンドーム)でも一発を放った。昨シーズンの万波は清宮についでチーム2位タイの14本塁打。今シーズンはさらなる飛躍が期待される。

 万波は外野手登録であり、昨シーズンの出場も外野だけだった。スタメンでの出場は、右翼(64試合)が多いものの、中堅(7試合)、左翼(2試合)と3ポジションを任されており信頼は厚い。しかし、今シーズンの日本ハムは外野の争いが昨シーズン以上に熾烈となっている。

 左翼は昨シーズン首位打者を獲得した松本 剛外野手(帝京出身)が当確。中堅もスピードのある五十幡 亮汰外野手(佐野日大出身)が積極的に起用されており、開幕スタメンの座を手中に収めようとしている。残る右翼も二刀流候補のドラフト1位ルーキー矢澤 宏太投手(藤嶺藤沢出身)は打撃面で好調。投手起用との兼ね合いもあるが、守備につくことになれば右翼が濃厚だ。それ以外にも長打力が売りの今川 優馬外野手(東海大四出身)や阪神から加入した江越 大賀外野手(海星出身)もいる。

 またオープン戦で左足関節内くるぶしを骨折し離脱してしまったが浅間 大基外野手(横浜高出身)も控えている。淺間は実戦復帰まで3ヶ月ほどと報じられており、開幕には間に合わないものの交流戦明け頃から出場することはできる見通しだ。

 大砲候補の万波も、もちろんレギュラー候補のひとりではあるが、当確ランプは現時点で灯っていない。それどころかオープン戦では一塁でも起用されているほど。まだ一塁での起用は2試合のみだが、清宮と万波がポジションを争う可能性もある。

 新庄 剛志監督はこのオフシーズンに「優勝しか目指さない」と公言。レギュラー陣も昨シーズンのように日替わりではなく、固定して戦っていく方針を打ち出している。

 そのなかで右の大砲候補でもある万波の起用法はどうなるのだろうか。外野か一塁か、それとも指名打者なのか──。なんとかレギュラーの座をつかみ取ることに期待したい。

<昨シーズン成績>

万波 中正(日本ハム)100試合 打率.203(296打数60安打) 14本 40打点

(記事:勝田 聡)