
矢澤 宏太
日本ハムのドラフト1位ルーキー矢澤 宏太投手(藤嶺藤沢出身)が存在感を発揮している。
オープン戦の初戦となった2月25日の楽天戦(名護)では「2番・指名打者」で先発出場。第1打席でいきなり二塁打を放つと、2打席目は凡退したものの3打席目で安打を放ちマルチ安打を達成した。
同26日の阪神戦(名護)では、「1番・右翼」で出場すると、1回の第1打席で西 勇輝投手(菰野出身)の投じた初球を右翼スタンドへたたき込んだ。2打席目にも安打を放ち2試合連続となるマルチ安打を達成した。
2試合のみの出場だが、打率.667(6打数4安打)、1本塁打、1打点、OPS2.000と打者としては文句なしの成績を残している。
一方、投手としてはオープン戦での登板はまだない。練習試合では1試合に登板し1回1失点、被安打1の内容だった。
矢澤の今後の起用法はわからないが、野手として試合に出場するとすれば、指名打者か26日の試合のように右翼手が濃厚になる。現時点における日本ハムの外野陣を見ると、昨シーズンの首位打者である松本 剛外野手(帝京出身)が左翼手を任されることがほぼ当確。しかし残り2枠は流動的だ。
中堅手の最有力候補だった五十幡 亮汰外野手(佐野日大出身)が2月21日の中日との練習試合(北谷)でフェンスに激突し途中交代。大事には至っていないものの、オープン戦での出場はなかった。また浅間 大基外野手(横浜高出身)も26日の阪神戦でフェンスに激突。負傷退場し、その後、左足の骨折と判明した。
それでも昨シーズン14本塁打を放った万波 中正外野手(横浜高出身)と同10本塁打の今川 優馬外野手(東海大四出身)のスラッガー候補ふたりに、阪神からトレードで加入した江越 大賀外野手(海星出身)に内野手登録のアリスメンディ・アルカンタラも阪神戦では外野を守った。
中堅手候補の2人が相次いで離脱したものの、矢澤が簡単にレギュラー当確とはなるほど、外野のポジション争いは甘くはない。このまま二刀流を継続するのであれば、外野手としてだけでなく、投手としての練習もこなさなくてはならない。レギュラーをつかみ取るための道は険しい。
エンゼルス・大谷 翔平投手(花巻東出身)の出現以降、「二刀流」の存在は広く知れ渡り、目指す選手が多くなった。しかし、NPBにおいて大谷に続く存在はまだ現れていない。二刀流としてプレーしている選手も”ほぼ”いないといっていい。その壁を矢澤は乗り越えることができるだろうか。
打撃面で結果を残し、開幕1軍そしてスタメンをつかみ取ることを期待したい。