
星稜時代の内山 壮真
ヤクルトの若手有望株・内山 壮真捕手(星稜出身)が躍動している。2月26日の楽天戦(オープン戦・浦添)では、2打席連続本塁打を含む4打数4安打7打点と大暴れ。正捕手の中村 悠平捕手(福井商出身)が侍ジャパンに招集されている間に猛烈なアピールをしてみせた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)終了後に中村が戻っても、開幕1軍は、ほぼ間違いないだろう。
内山はもちろん捕手が本職だが、今シーズンはその打撃を生かすべく、左翼の守備にもついている。この試合でも先発マスクをかぶったが、6回からは左翼の守備についた。
ヤクルトの左翼はベテランの青木 宣親外野手(日向高出身)や山崎 晃大朗外野手(青森山田出身)、この日3安打を放った濱田 太貴外野手(明豊出身)にドラフト3位ルーキーの澤井 廉外野手(中京大中京出身)、さらには内野手登録の松本 友内野手(東福岡出身)や宮本 丈内野手(履正社出身)らも狙う激戦区。まだ守備面での不安があるのは事実だが、一発を生み出すパワーは大きな魅力だ。
現実的に内山が左翼のレギュラーに定着するのは難しくとも、捕手として出場しない試合でのスタメン出場、あるいは代打からの左翼守備など起用法の幅が広がるのは間違いない。高津臣吾監督も嬉しい悩みを抱えることになった。
さて、そんな内山は今年が高卒3年目のシーズンとなる。2年目だった昨シーズンは74試合の出場で4本塁打を放った。捕手だけでなく外野での起用も増えれば、その本塁打数を上回ることはもちろん、2ケタ本塁打も十分届きそうだ。
高卒3年目のシーズン本塁打数を見ると村上 宗隆内野手(九州学院出身)は28本塁打と別格だが、同じ捕手の中村は0本だった。昨シーズン長岡 秀樹内野手(八千代松陰出身)が9本塁打を放ったものの、通算271本塁打を放っている山田 哲人内野手(履正社出身)でも高卒3年目のシーズンは覚醒前であり、94試合の出場で3本だけしか打っていない。
今シーズンの内山は、「打てる捕手」となるのか「捕手と左翼の二刀流」になるのかはわからない。しかしどういう起用法であったとしても2ケタ本塁打をクリアしてほしい。
<ヤクルトの主な選手の高卒3年目の本塁打数>
※2019年ドラフト入団まで
28本:村上 宗隆
9本:長岡 秀樹
3本:山田 哲人
1本:川端 慎吾、太田 賢吾(日本ハム時代)
0本:中村 悠平、西田 明央、濱田 太貴、古賀 優大、武岡 龍世、奥村 展征(ドラフトは巨人)、三ツ俣 大樹(オリックス時代)
(記事=勝田 聡)