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ヤクルト社会人ドラ1位・吉村が1軍キャンプ、歴代投手のような活躍ができるか

2023.01.30

ヤクルト社会人ドラ1位・吉村が1軍キャンプ、歴代投手のような活躍ができるか | 高校野球ドットコム
吉村 貢司郎

 セ・リーグ3連覇を目指すヤクルトの春季キャンプ参加メンバーが発表された。村上 宗隆内野手(九州学院出身)や山田 哲人内野手(履正社出身)といた主力はもちろん、新人ではドラフト1位の吉村 貢司郎投手(日大豊山→國學院大→東芝→2022年1位)、同5位の北村 恵吾内野手(近江→中央大→2022年5位)が1軍スタートとなった。

 なかでも吉村は大卒社会人の即戦力候補。先発ローテーション入りへの期待がかかってくる。

 ヤクルトにおける社会人出身のドラフト1位指名投手は、2014年の竹下 真吾投手(八幡高→九州共立大→ヤマハ→2014年1位)以来、8年ぶり。竹下は1軍登板わずか1試合にとどまり、すでに現役を引退。プロの世界では結果を残すことができなかった。

 さて、その他に社会人出身のドラフト1位指名投手は誰がいたのだろうか。平成(1989年)以降の即戦力候補たちを振り返ってみたい。

 現役選手では、石山 泰稚投手(金足農→東北福祉大→ヤマハ→2012年1位)がいる。石山は1年目から中継ぎでフル回転。チーム2位となる60試合に登板し3勝3敗、10セーブ、21ホールド、防御率2.78の好成績を残した。2年目以降は先発で起用されるシーズンもあったが、2016年以降は完全に中継ぎに定着。守護神を含め勝ちパターンの一角として奮闘し、チームの2連覇にも大きく貢献した。

 それ以前では中澤 雅人投手(富山商→中央大→トヨタ自動車→2009年1位)もそうだ。1年目から先発として7勝を挙げた。しかし以降は中継ぎとしての起用がメインとなり、2015年のリーグ優勝時には35試合に登板するなど通算202試合に登板。結果的には石山同様に先発としてではなく中継ぎとして結果を残した。

 ヤクルトの黄金時代にあたる平成初期は西村 龍次投手(広島広陵→寒川高→ヤマハ→1989年1位)、伊藤 智仁投手(花園高→三菱自動車京都→1992年1位)、山部 太投手(八幡浜工→NTT四国→1993年1位)と3人の社会人出身ドラフト1位投手がチームを支えた。

 西村は入団から4年連続2ケタ勝利を挙げるなど、先発で活躍。1995年開幕前にトレードされるまでの5年間で56勝を挙げた。

 伊藤は1年目からスライダーを武器に旋風を巻き起こした。故障で離脱するも14試合の登板で7勝(2敗)、防御率0.91の成績で新人王を受賞している。その後は故障と戦いながらではあったが、1997年には中継ぎでも結果を出し7勝2敗、19セーブ、防御率1.51と見事に復活。カムバック賞を受賞した。通算では127試合の登板で37勝27敗、25セーブ、防御率2.31の成績を残している。

 山部も通算269試合の登板で45勝を挙げた。入団当初は先発としての起用だったが、現役終盤は中継ぎに役割変更。2003年には34試合の登板で防御率1.05の好成績を残している。

 一方で北川 哲也投手(暁星国際→日産自動車→1994年1位)は、通算36試合で4勝止まり。結果を残せずユニホームを脱いだ。

 このように先発、中継ぎどちらの役割でも成功例は多くいる。はたして吉村は、先発、中継ぎどちらで花開くのだろうか。その起用法にも注目したい。

<ヤクルトの社会人出身ドラフト1位指名投手>

※1989年ドラフト会議以降

西村 龍次(広島広陵→寒川高→ヤマハ→1989年1位)
伊藤 智仁(花園高→三菱自動車京都→1992年1位)
山部 太八幡浜工→NTT四国→1993年1位)
北川 哲也暁星国際→日産自動車→1994年1位)
中澤 雅人富山商→中央大→トヨタ自動車→2009年1位)
石山 泰稚金足農→東北福祉大→ヤマハ→2012年1位)
竹下 真吾(八幡高→九州共立大→ヤマハ→2014年1位)
吉村 貢司郎日大豊山→國學院大→東芝→2022年1位)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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