栗山監督が語る、世界一奪還への選手選考、目指すチーム像
がっちり握手を交わす栗山英樹監督と大谷翔平投手
3月に開催される「2023ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に向けた会見が6日、都内で開かれ、侍ジャパンを率いる栗山英樹監督、そしてメンバーに選出されたエンゼルス・大谷 翔平投手(花巻東出身)が出席した。一部メンバーに選出した12名を発表し、栗山監督は「できる限り世界一に近いチームはどんなチームなのか、ずっと考えてきました」と、悲願達成に向けて熟考してきたことを語った。
前提として、まずは日本の野球を継承する。
「日本の野球は守って我慢して、チャンスをモノにして勝ち切っていく。そのベースというのは間違いないので、それを考えてチーム作りしていきます」
これまでの侍ジャパンも、スモールベースボールであり、投手中心に守備で失点を抑えることが土台だった。今回発表された投手陣には、メジャーからは大谷、パドレス・ダルビッシュ 有投手(東北高出身)、NPBからはオリックス・山本 由伸投手(都城高出身)とトップ選手が選ばれている。大谷も会見では「投手力の方が上の印象です」と話すほどの強力投手陣が既に形成されている。今後、選ばれる投手も世界を相手に活躍できることは、絶対条件に入ってくることは間違いない。
対して野手陣では、ヤクルト・村上 宗隆内野手(九州学院出身)ら、パワーでも世界と勝負できそうなメンバーもいる。ここにも栗山監督なりの考えは当然ある。
「各国、素晴らしいメンバーが集まるので、全ての分野である程度のレベルで戦わないと、勝てないと思っています」
今回のWBCには既に発表されているだけでも、各国ともメジャーリーガーが多数出場する予定となっている。栗山監督も「個人的にはどこも怖いので、きっちり分析していかないといけない」と、かなり警戒している。
そのためにも「相手によってチームの形を柔軟に打順を変えられる、どんな対応でもできるようにしたいな、というのは凄くあります。選手には慣れないポジションをやってもらうかもしれない」と、野手陣には打順、ポジションなど柔軟な対応が求められることになりそうだ。
投手を中心に粘り強く守ることを前提に、対戦相手に応じて柔軟に戦う。世界一奪還を目指す栗山ジャパンの形が垣間見えたなか、残りのメンバーはどんな顔ぶれとなるのか楽しみだ。
(記事:田中 裕毅)