高校時代の松本竜也(智辯学園出身)

 10月に行われたドラフト会議では、吉村 貢司郎投手(東芝→ヤクルト1位)ら15人の社会人野球出身の選手が指名を受けた。

 一般的に社会人出身の選手は早い段階で1軍の戦力になることが期待されているが、昨年指名を受けた社会人出身の選手はルーキーイヤーにどのような成績を残したのだろうか。15人の成績を振り返ってみたい。

 投手では9人のうち7人が1軍デビューを飾った。

 そのなかでもっとも登板したのが松本 竜也智辯学園→Honda鈴鹿→広島5位)だ。チームでも2位となる50試合に登板し、防御率3.56と中継ぎの一角を占めた。とくに9月以降は11試合の登板で防御率0.77。11.2回を投げ17奪三振といい形でシーズンを終えている。

 同じ広島の森 翔平鳥取商→関西大→三菱重工West→広島2位)も8試合で防御率1.89と結果を出した。シーズン終盤には先発のマウンドを2度任され10回を投げ1失点。来シーズン松本は勝ちパターン、森は先発ローテーション入りを目指すことになる。

 ロッテの廣畑 敦也(玉野光南→帝京大→三菱自動車倉敷オーシャンズ→ロッテ3位)と八木 彬(八戸学院光星→東北福祉大→三菱重工West→ロッテ5位)の両投手もそれぞれ30試合、22試合に登板。両投手とも勝ち星はなく、ホールドも廣畑が2で八木は0。僅差のリードの場面での起用は少なかったが、多くの経験を積んだ。

 吉川 雄大広陵→東海大→JFE西日本→楽天7位)は4試合、柴田 大地日体荏原→日体大→日本通運→ヤクルト3位)は1試合のみの登板。山田 龍聖高岡商→JR東日本→巨人2位)と横山 楓宮崎学園→国学院大→セガサミー→オリックス6位)は登板がなかった。

 一方で野手は6人全員が1軍デビューを飾り、野村 勇内野手(寒川→拓殖大→NTT西日本→ソフトバンク4位)と上川畑 大悟内野手(倉敷商→日本大→NTT東日本→日本ハム9位)のふたりは半分以上の試合に出場した。なかでも野村は10本塁打をマーク。これはソフトバンク(前身含む)では1939年の鶴岡一人以来、83年ぶりの快挙でもあった。

 末包 昇大外野手(高松商→東洋大→大阪ガス→広島5位)は開幕スタメンを勝ち取り、いきなり猛打賞をマークするも以降は調子を落とし、シーズンを通しては31試合の出場にとどまっている。チームメートの中村 健人外野手(中京大中京→慶応大→トヨタ自動車→広島3位)は63試合に出場し3本塁打を放った。

 水野 達稀内野手(丸亀城西→JR四国→日本ハム3位)は21試合の出場で打率1割台、豊田 寛東海大相模→国際武道大→日立製作所→阪神6位)は5試合の出場でノーヒット。結果を残すにはいたらなかった。