高卒ドラ1・森木大智は大器の片鱗見せるも 阪神のルーキーは多くが2軍で鍛錬
高校時代の森木大智
プロ野球は公式戦の全日程が終了した。11月からは秋季キャンプで来シーズンへ向けたトレーニングが始まる。さて、今年も新人たちが1軍で活躍した。貴重な戦力となったチームも少なくない。一方で将来を見据えて2軍で汗を流した選手もいる。各球団のルーキーたちはどのような1年だったのだろうか。その成績を振り返ってみたい。
昨シーズンは佐藤 輝明内野手(仁川学院出身)、伊藤 将司投手(横浜高出身)、中野 拓夢内野手(日大山形出身)の3人が新人ながら戦力として活躍した。しかし今シーズンは1軍でばりばりと戦力になった選手はひとりもおらず、ルーキー全員がシーズンを通してほぼ2軍で汗を流した。
そのなかでもっとも1軍で出場機会があったのはドラフト3位の桐敷 拓馬投手(本庄東出身)だった。開幕3戦目で先発を任されると黒星を喫したものの、5回3失点とプロ初登板にしてはまずまずの投球内容。
その後は、中継ぎも経験し、シーズンを通して7試合(先発3試合)に登板し14.1回を投げ防御率5.02の成績を残した。2軍では13試合(先発11試合)で6勝1敗、防御率0.72と圧倒的な数字を残している。来シーズンは1軍の先発ローテーション争いに加わりたいところだ。
ドラフト1位の森木 大智投手(高知高出身)は、高卒ルーキーということもあり2軍でトレーニングを積んだ。8月下旬に1軍デビューを果たすも、2試合の登板で防御率6.23。1年目から結果を残すことはできなかったものの、プロ初登板となった8月28日の中日戦では5回まで無失点投球。6回に3点を失うもクオリティースタートを達成し大器の片鱗を見せた。
同2位の鈴木 勇斗投手(鹿屋中央出身)と同5位の岡留 英貴投手(沖縄尚学出身)は1軍登板がなかった。鈴木は2軍でも13試合で防御率8.06と苦しんだが、岡留は36試合の登板で防御率1.54と好成績を残した。来シーズンは中継ぎの一角としての1軍昇格を目指すことになりそうだ。
野手では社会人出身のドラフト6位・豊田 寛外野手(東海大相模出身)が5試合に出場するも安打を放つことはできなかった。同4位の前川 右京外野手(智辯学園出身)と同7位の中川 勇斗捕手(京都国際出身)の高卒ふたりは1軍出場がなかった。2軍では前川が21試合(64打席)の出場ながら3本塁打。中川も少ない打席数ながら打率.295(88打数26安打) 、3本塁打と結果を出している。
<ルーキー成績>
※育成選手は支配下登録された選手のみ
1位:森木 大智(高知高/投手)
[1軍]2試合(8.2回) 0勝2敗 防御率6.23
[2軍]14試合(53回) 4勝2敗 防御率4.08
2位:鈴木 勇斗(創価大/投手)
[1軍]出場なし
[2軍]13試合(25.2回) 1勝1敗 防御率8.06
3位:桐敷 拓馬(新潟医療福祉大/投手)
[1軍]7試合(14.1回) 0勝3敗 防御率5.02
[2軍]13試合(74.2回) 6勝1敗1S 防御率0.72
4位:前川 右京(智弁学園/外野手)
[1軍]出場なし
[2軍]21試合 打率.250(60打数15安打) 3本塁打 7打点
5位:岡留 英貴(亜細亜大/投手)
[1軍]出場なし
[2軍]36試合(35回) 2勝1敗 防御率1.54
6位:豊田 寛(日立製作所/外野手)
[1軍]5試合 打率.000(7打数0安打) 0本塁打 0打点
[2軍]80試合 打率.243(255打数62安打) 4本塁打 32打点
7位:中川 勇斗(京都国際/捕手)
[1軍]出場なし
[2軍]50試合 打率.295(88打数26安打) 3本塁打 15打点
※2022年シーズン終了時点
(記事=勝田 聡)