東北勢では仙台育英9名らがNPBでプレー
高校時代の上林誠知(仙台育英)
第104回全国高校野球選手権大会(甲子園)は仙台育英(宮城)の優勝で幕を閉じた。東北勢として春夏通じて初めての優勝でもあり、大きな話題を呼んだ。
また、個人でも浅野翔吾外野手(高松商3年)や山田陽翔投手(近江3年)といったプロ志望届を出せば、今秋のドラフト会議でも目玉となりそうな選手はいた。
今大会に出場した49校のOBで、2022年シーズンも現役のNPBおよびMLBプレーヤーはどれだけいるのだろうか。地域ごとに確認してみたい。
今大会で悲願の初優勝を飾った仙台育英をはじめとした東北6県では、同校以外に八戸学院光星(青森)、聖光学院(福島)のOBに現役NPBプレーヤーがいる。
仙台育英OBは上林誠知外野手(仙台育英→2013年ソフトバンク4位)ら9名がNPBでプレーしている。もっとも実績のある上林は今シーズン開幕後にアキレス腱を断裂。すでに手術を終えているが、シーズン中の復帰は絶望的で、1軍に戻ってくるのは来シーズン以降となりそうだ。
その他では平沢大河内野手(仙台育英→2015年ロッテ1位)、松原聖弥外野手(仙台育英→明星大→2016年巨人育5位)、郡司裕也捕手(仙台育英→慶応義塾大→2019年中日4位)らの名前が挙がるも、今シーズン1軍で目立った成績を残すことはできていない。
八戸学院光星は坂本勇人内野手(光星学院→2006年巨人高1巡)ら6名。坂本の実績が抜け出ているが、北條史也内野手(光星学院→2012年阪神2位)、田村龍弘捕手(光星学院→2012年ロッテ3位)も実績を残した。
その他では、高卒3年目の武岡龍世内野手(八戸学院光星→2019年ヤクルト6位)が若手のホープとして期待されている。ルーキーの八木彬投手(八戸学院光星→東北福祉大→三菱重工名古屋→三菱重工West→2021年ロッテ5位)が、ここまで20試合に登板し防御率2.66と、まずまずの成績を残している。また八木は同校OBの現役では唯一、大学進学を経てのプロ入りだ。
ベスト4に進出した聖光学院のOBでは、湯浅京己投手(聖光学院→BC富山→2018年阪神6位)が、今シーズン大ブレークを遂げた。前半戦で勝ちパターンに抜擢されると、ここまでの35ホールドポイントはリーグトップタイ。チームに欠かせない存在となった。
その他では、佐藤都志也捕手(聖光学院→東洋大→2019年ロッテ2位)も同校OBだ。今シーズンはここまでキャリアハイに並ぶ6本塁打を記録している。
一関学院(岩手)、能代松陽(秋田)、鶴岡東(山形)の3校のOBに現役NPBプレーヤーはいない。
<現役NPBプレーヤー>
・八戸学院光星(青森)出身
坂本勇人(2006年巨人高1巡)※
北條史也(2012年阪神2位)※
田村龍弘(2012年ロッテ3位)※
武岡龍世(2019年ヤクルト6位)
伊藤大将(2019年ソフトバンク育3位)
八木彬(東北福祉大→三菱重工名古屋→三菱重工West→2021年ロッテ5位)
(※は旧校名の光星学院出身)
・仙台育英(宮城)出身
上林誠知(2013年ソフトバンク4位)
平沢大河(2015年ロッテ1位)
松原聖弥(明星大→2016年巨人育5位)
馬場皐輔(仙台大→2017年阪神1位)
熊谷敬宥(立教大→2017年阪神3位)
西巻賢二(2017年楽天6位)
梅津晃大(東洋大→2018年中日2位)
郡司裕也(慶応大→2019年中日4位)
入江大樹(2020年楽天5位)
・聖光学院(福島)出身
八百板卓丸(2014年楽天育1位)
湯浅京己(BC富山→2018年阪神6位)
知野直人(第一学院高→BC新潟→2018年DeNA6位)
佐藤都志也(東洋大→2019年ロッテ2位)
岡野祐一郎(青山学院大→東芝→2019年中日3位)
(知野は聖光学院中退)
・一関学院(岩手)
不在
・能代松陽(秋田)
不在
・鶴岡東(山形)
不在
※数字は2022年8月24日終了時点
(記事=勝田 聡)