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ファーム2冠王が誕生 2020年に育成から支配下に昇格した逸材たち

2022.03.10

ファーム2冠王が誕生 2020年に育成から支配下に昇格した逸材たち | 高校野球ドットコム
リチャード

 オープン戦も中盤に入ってきた。そろそろベテランや実績のある選手たちの出場機会が増えてくる。

 若手や育成契約から支配下登録を目指す選手たちに残されたアピールの時間は多くない。開幕前の最後のアピールを行う育成契約の選手たちにとってゴールは支配下登録ではない。その先には1軍で活躍することが目指すべきところとなる。

 さて、ここ数年、開幕前に育成契約から支配下登録を勝ち取った選手は、そのシーズンに1軍で戦力となったのだろうか。今から2年前、2020年を振り返って見たい。この年は新型コロナウイルスの影響で開幕が6月にずれ込んだが、従来の開幕(3月20日)までで調べている。

 投手ではソフトバンク・尾形 崇斗学法石川出身)とオリックス・漆原 大晟新潟明訓出身)のふたりが支配下登録を勝ち取った。尾形はオープン戦で5試合に登板し11回を投げ無失点。防御率0.00と好投した。しかし1軍での登板はシーズンを通じて1試合のみ。1回3失点と1軍の洗礼を浴びた。

 漆原は春季キャンプ途中の2月20日に支配下登録された。そのままオープン戦で5試合に登板し、6.1回を投げ防御率2.84の成績を残す。開幕1軍は勝ち取ることができなかったものの、8月に初めて1軍昇格を果たすと中継ぎで22試合に登板。初勝利を挙げることはできなかったものの、ホールドとセーブは記録。防御率も3.42と支配下登録1年目としてはまずまずの内容だった。

 野手では楽天・下妻 貴寛捕手(酒田南出身)、巨人・モタ外野手、ソフトバンク・リチャード内野手(沖縄尚学出身)の3人が支配下登録された。支配下再復帰となった下妻は43試合に出場し打率.156(77打数12安打)の成績を残している。2021年シーズンオフに現役を引退したが、この2020年の43試合出場がキャリアハイだった。

 外国人選手のモタは8月に1軍初出場。出場2試合目で初安打となる本塁打を記録した。しかしそれ以降はわずか1安打にとどまり、打率.222(9打数2安打)の内容でシーズン終了後に戦力外通告を受けた。大砲候補として期待されたリチャードは同年に1軍出場はなかった。しかし2軍では72試合に出場し12本塁打、47打点で2冠王を獲得。大器の片鱗を見せている。


<2020年開幕前に支配下登録された育成契約の選手の当該年度成績>
※2020年2月1日以降
※本来の開幕であった3月20日までの支配下登録

尾形 崇斗(ソフトバンク)
1試合(1回) 0勝0敗 防御率27.00

リチャード(ソフトバンク)
1軍出場なし

モタ(巨人)
9試合 打率.222(9打数2安打) 1本塁打 4打点

漆原 大晟(オリックス)
22試合(23.2回) 0勝0敗2S5H 防御率3.42

下妻 貴寛(楽天)
43試合 打率.156(77打数12安打) 1本塁打 9打点

(文=勝田 聡)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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