巨人では若手が台頭、大勢が大ブレーク、山崎と中山が続けるか
翁田 大勢(関西国際大)
開幕から2ヶ月が過ぎセ・パ交流戦が始まった。今シーズンも多くの”新顔”が1軍で結果を残しブレークしようとしている。昨シーズンまでの実績はないものの、今シーズンここまで結果を残しブレークしつつある選手を各球団ごとに振り返ってみたい。
2年ぶりの優勝を目指す巨人は若い投手たちの躍進が目立つ。4月末の時点で堀田賢慎投手(青森山田出身)、戸田懐生投手(KTCおおぞら高出身)、赤星優志投手(日大鶴ヶ丘出身)、大勢投手(西脇工出身)、平内龍太投手(神戸国際大附出身)、山崎伊織投手(明石商出身)と6人がプロ初勝利を挙げている。これはプロ野球史上初の快挙でもあった。
なかでもドラフト1位ルーキーの大勢は別格だ。1年目から一気に球界を代表する投手へとブレークしようとしている。
大勢は開幕から守護神を任されると、ここまで23試合(22.2回)に登板しリーグトップの19セーブ。失点を喫したのはわずか3試合となっており、防御率1.99と安定した投球を続けている。
150キロを超える直球が武器で奪三振はイニング数を超える29個。奪三振率は11.51で、これは2試合以上に登板している投手では、チームトップでもある。まさに守護神として文句なしの成績だ。
先発投手では山崎伊織が7試合(34.1回)の登板で2勝1敗、防御率2.88と好成績を残している。東海大時代にトミー・ジョン手術を受けた影響でドラフト2位入団ながら、昨シーズンは登板がなかった。
そのなかで開幕2戦目にプロ初登板を勝ち取ると、白星こそつかなかったものの6回3失点(自責2)と試合を作る。その後、4試合目(先発は3試合目)の登板となった4月28日のDeNA戦でプロ初勝利を挙げた。
手術明けということもあり、一般的な先発ローテーション投手のように中6日で1年間をまわることはできない。それでも登板間隔を調整しながら、試合を作ることができれば十分戦力となる。
野手では高卒2年目の中山礼都内野手(中京大中京出身)が出場機会を増やしている。5月1日に初めて1軍登録されると、チームの大黒柱である坂本勇人内野手(光星学院出身)が故障で離脱していることもあり、5月8日からは全試合遊撃のポジションでスタメン出場中。ここまで25試合に出場し打率.206(68打数14安打)の成績を残している。
この数字を見るとここまでは打撃面では貢献できているとはいいがたい。それでも原辰徳監督ら首脳陣は中山を起用し続けている。それだけ成長の機会を与えたくなる存在ということだろう。
坂本も今年34歳になる。巨人も本格的に遊撃手の後継者を育てていかねばならなくなった。その筆頭候補として中山が選ばれている。
<巨人の主なブレーク選手>
大勢(投手/関西国際大→2021年1位)
山崎伊織(投手/東海大→2020年2位)
中山礼都(内野手/中京大中京→2020年3位)
※数字は2022年6月2日終了時点
(記事=勝田聡)