今、指名漏れ経験者がプロの世界で羽ばたいている。

 特に巨人がすごい。ドラフト1位の大勢投手(翁田 大勢)が巨人のルーキーでは初の10セーブに到達。しかも12球団投手で最速の記録だ。

 西脇工時代は最速147キロ右腕として活躍したものの、指名漏れした。関西国際大の4年間で実力をつけて、常時150キロ中盤の速球を武器に圧倒する異次元の速球投手へと成長した。150キロ前後だった大学時代と比べると別人のようになっている。このような成長曲線を描く投手は異例だ。

 3位の赤星 優志投手も、日大鶴ヶ丘時代に最速145キロの速球を投げ込む右腕として注目された。赤星自身、腕試しのつもりでプロ志望届を提出し、さらにNPB3球団の入団テストも受験。ある球団はシート打撃で在籍選手と対戦する機会を設けてもらえるなど、指名漏れになったとはいえ、貴重な経験ができたという。

 日本大ではウエイトトレーニングで徹底的に肉体を強化し、直球は150キロに到達。投球スタイルも一新した。気持ちを出すスタイルから、感情の起伏を小さくし、相手打者を抑えるスタイルに転換し、4年秋には2試合連続完封を成し遂げた。ラストシーズンの成長度が評価され、3位指名を受けた。

 ここまでの投球を見ると、赤星の実力、スタイルを十分に発揮しているといえる。成績も2勝1敗。26.2回を投げ、防御率1.69と抜群の安定感を発揮している。冷静にゲームメイクできる姿は、非常に頼もしい。

 2人の指名漏れ経験者が、今の首位・巨人の原動力となっている。