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「育成から侍JAPAN」の韋駄天など 2019年は4人が開幕前に支配下勝ち取る

2022.03.11

「育成から侍JAPAN」の韋駄天など 2019年は4人が開幕前に支配下勝ち取る | 高校野球ドットコム
周東 佑京(福岡ソフトバンク)

 オープン戦も中盤に入ってきた。そろそろベテランや実績のある選手たちの出場機会が増えてくる。若手や育成契約から支配下登録を目指す選手たちに残されたアピールの時間は多くない。

 開幕前の最後のアピールを行う育成契約の選手たちにとってゴールは支配下登録ではない。その先には1軍で活躍することが目指すべきところとなる。

 さて、ここ数年、開幕前に育成契約から支配下登録を勝ち取った選手は、そのシーズンに1軍で戦力となったのだろうか。3年前の2019年を振り返ってみたい。

 2019年はソフトバンク・川原 弘之投手(福岡大大濠出身)、ソフトバンク・周東 佑京内野手(東農大二出身)、楽天・ヒメネス投手、巨人・坂本 工宜投手(関西学院出身)の4人が支配下登録を勝ち取った。

 4年ぶりの支配下復帰となった川原は左の中継ぎとして19試合に登板した。プロ初勝利を挙げることはできなかったものの、自己最多となる23.2回を投げ1ホールド、防御率2.66の結果を残した。2021年に現役を引退することになるが、23.2回はそのままキャリアハイとなった。

 この年に大ブレークしたのが周東だった。足を武器に支配下登録された周東は、この年102試合に出場し25盗塁と1軍で結果を残した。打率は2割に届かず苦しむも足を評価され、オフシーズンに行われたプレミア12の日本代表に選出された。同大会でも4盗塁を決めている。翌年には50盗塁を決め盗塁王のタイトルを獲得。育成契約から日本代表を経て、翌年にはタイトルを獲得したのはまさにシンデレラストーリーだった。

 関西学院大時代は準硬式野球部に所属していたことで話題となった坂本は4月に1軍昇格を勝ち取った。初登板となった試合で1回3失点と打ち込まれるも、2試合目の登板は1回無失点とリベンジを果たす。しかしその翌日の登録を抹消されると、1軍昇格はなくオフに自由契約となった。

 ヒメネスはエンゼルス、ブリュワーズ、レッドソックスでMLB経験もあった内野手だが、楽天では1度も1軍に昇格することなく同年オフに自由契約となっている。

 この年はわずか4人しか開幕前に支配下登録を勝ち取った選手はいなかった。しかし周東が足という武器を存分に生かし、日本代表にまで駆け上っている。キャンプイン時は育成契約だった選手がシーズン終了後に日本代表となったインパクトは大きかった。


<2019年開幕前に支配下登録された育成契約の選手の当該年度成績>
※2019年2月1日以降

川原弘之(ソフトバンク)
19試合(23.2回) 0勝0敗1H 防御率2.66

周東佑京(ソフトバンク)
102試合 打率.196(102打数20安打) 1本塁打 6打点 25盗塁

坂本工宜(巨人)
2試合(2回) 0勝0敗 防御率13.50

ヒメネス(楽天)
1軍出場なし

(文=勝田 聡)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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