ヤクルト高卒2年目捕手の内山がブレークの予感、起用法にも注目
星稜時代の内山壮真
2月も下旬に差し掛かり、練習試合やオープン戦など、対外試合が増えてきた。ここで新人を含め1軍での実績のない若手選手たちは、開幕1軍入りをつかむためにも、ここからさらなるアピールが必要になってくる。今シーズン期待のかかる選手たちを各球団ごとに取り上げてみた。
球団創設以来初となる日本一2連覇を目指すヤクルトでは、高卒2年目の捕手・内山 壮真(星稜出身・2020年3位)が奮闘している。ルーキーイヤーだった昨年の内山は1軍で6試合に出場。与えられた6打席で初安打は生まれなかったものの、大きな経験を積んだ。
一方、2軍では74試合に出場。規定打席には未到達ながら打率.231(238打数55安打)、8本塁打と高卒1年目としては文句なしの成績を残している。またフレッシュオールスターゲームでも1発を放ちMVPを受賞した。
今年は1軍で春季キャンプをスタートさせると故障することなく帯同を続け、練習試合でもマスクをかぶっている。ここまで出場した3試合ではすべて安打を放ち、打率.556(9打数5安打)と打撃面では文句なし。なかでも「4番・捕手」として出場した20日のロッテ戦では5打数3安打と猛打賞を記録した。
ただ、結果を残しているとはいえ、1軍でレギュラーを獲得することは容易ではない。正捕手には日本シリーズでMVPを受賞し、今シーズンから古田 敦也の背負っていた「27」を継承する中村 悠平捕手(福井商出身)が君臨している。中村は今年32歳と老け込む年齢でもない。もちろん古賀 優大捕手(明徳義塾出身)や西田 明央捕手(北照出身)といったその他の先輩捕手もいる。
現実的には数年後を見据えて、内山に1軍での出場機会を少しずつ与えていくことになるはずだ。それこそ中村が相川 亮二から正捕手を奪ったときのように。今年、内山に1軍のベンチで学ばせるのか、それとも2軍で実戦経験を与えていくのか。その起用法が注目される。
その他ではドラフト2位の丸山 和郁外野手 (前橋育英出身)が、今春のキャンプでルーキーでは唯一の1軍スタートを勝ち取っていた。順調にメニューを消化し、練習試合にも出場していた。しかし20日のロッテ戦で一塁へ駆け込んだ際に相手選手と交錯し負傷退場。脳震盪の疑いがあり離脱となった。復帰プログラムを経てから再び1軍入りを目指すことになる。