ソフトバンク高卒1位と5球団競合1位が好調、苦労人投手含め新戦力に期待
井上 朋也、田中 正義
春季キャンプも終わりが近づき、実戦的な練習や紅白戦や対外試合が増えてきた。新人を含め1軍での実績のない若手選手たちは、開幕1軍入りをつかむためにもここからさらなるアピールが必要になってくる。今シーズン期待のかかる選手たちを各球団ごとに取り上げてみた。
日本一奪回を目指すソフトバンクは2020年のドラフト1位である井上 朋也内野手(花咲徳栄出身)が奮闘している。昨季は1軍出場がなかったものの、この春季キャンプはA組(1軍)スタート。紅白戦では本塁打を放つなど長打を量産している。王貞治球団会長も「目立ったのは井上」と賛辞を送っていた。
井上の本職の三塁はベテランの松田に、若き大砲候補のリチャードがおり、レギュラーを奪うことは簡単ではない。しかし、これから始まるオープン戦でも結果を出すことができればチャンスはありそうだ。
投手では2016年のドラフト1位・田中 正義投手(創価高出身)が本格化の兆しを見せた。ドラフトでは5球団が競合した田中だが、ここまでの5年間で1勝も挙げていない。昨シーズンは18試合に登板し防御率2.16と結果を出したものの、白星をつかむことはできなかった。ドラフト1位入団とはいえ今年が6年目。まさに崖っぷちの立場だった。
この春季キャンプではA組スタートすると紅白戦で好投した。対外試合の初戦となった2月22日の西武戦(球春みやざきベースボールゲームズ)で先発すると、初回の先頭打者から2者連続三振を奪うなど、2回を投げ完全投球。直球は140キロ台中盤から150キロを超え、変化球もさえていた。中継ぎとしてではなく先発としての起用が予想され、開幕ローテーションを争う位置につけたと見ていい。5球団競合のドラフト1位がようやく覚醒するかもしれない。
育成契約の藤井 皓哉投手(おかやま山陽出身・2014年広島4位)も結果を出した。広島を2020年オフに自由契約となり、昨年は四国アイランドリーグplusでプレーした右腕は2月16日の紅白戦でデビューした。2回を投げ無安打無失点、3奪三振と猛アピール。20日の紅白戦でも1回3三振と抜群の内容が続いている。中継ぎ右腕として支配下登録も近そうだ。
日本一の連覇が4で途切れたソフトバンクが新たな歴史をつくるためにも新戦力の台頭は欠かせない。井上、田中のドラフト1位コンビや藤井が1軍の戦力となることに期待がかかる。
(記事:勝田 聡)