菅野VS村上、期待通りの意地とプライドをかけた力勝負に
菅野智之(巨人)
まさに力と力の勝負だった。30日、京セラドーム大阪で繰り広げられたヤクルト・村上宗隆内野手(九州学院出身)と、巨人・菅野智之投手(東海大相模出身)の対決のことだ。
村上は、この試合を迎えるまでに14打席連続出塁、9打数連続安打を継続中で第1打席を迎えた。対する日本を代表する右腕の菅野がどんな投球を見せるのかと思っていたが、ベテランは気持ちいいほどの真っ向勝負を挑んだ。
第1打席、初球は力のこもった直球で内角高めの152キロ。村上はフルスイングでとらえに行ったが結果は捕邪飛。村上の連続記録は一瞬で止まった。菅野がわずか1球の「力勝負」で意地を見せた。
2度目の対決は四球だった。内角球は3球目の1球だけで外角中心の配球の末に、フルカウントから最後は内角へのスライダーを投げ込んだ。きわどい球だったが判定はボール。村上は一瞬打ちにいったがバットはピタッと止まった。菅野は逃げずに内角で勝負にいったが、村上の選球眼が少し勝った。
3打席目は村上のバットから快音を発したが、左飛に終わった。菅野は今度は最初から2球内角を攻め、3球目は外角を狙ったスライダーが内角低めへのボールに。そろそろ外角と村上は読んでいたのか、149キロの外角直球に鋭く反応したが、打球は上がらず、ここは菅野の球威が少し勝った。
菅野は1四球こそ与えたが無安打。四球も内角を攻めた結果だった。菅野が降板してからも、巨人バッテリーは村上と「真っ向勝負」に挑んだ。外角一辺倒で逃げるような配球ではなかった。5打席で1安打1四球。完全に抑えることはできなかったが、「3冠王」へまい進する打者を思えば「抑えた」方だろう。
試合は延長11回にヤクルトが2点を勝ち越して勝利した。勝ち越しのホームを踏んだ村上にとってはチームの勝利には貢献したが、自身の打撃はさせてもらえなかった。31日、巨人投手陣との第2ラウンドの「逆襲」に期待する。