【広島】3年連続新人王も夢ではない!新人投手トリオが力強い速球をアピール
黒原 拓未(関学大)
広島のルーキー投手トリオが、フリー打撃投手に登板して開幕1軍アピール合戦を演じた。
ドラフト2位左腕の森 翔平投手(鳥取商出身)が「先発」として、マウンドへ。打席に入った林、會澤、菊池涼、末包の4人に対して42球すべて直球を投げ切った。時折、抜けたボール球がいくこともあったが、低めへの直球には伸びがあり、打者も打ち損じる場面も。調整スタートのキャンプ序盤ということもあるが、空振りする打者もいたほどだった。
負けじと「2番手」のドラフト1位左腕・黒原 拓未投手(智辯和歌山出身)も41球すべて直球で力強い球を披露した。背中には、広島の左腕エースとして君臨していた大野 豊投手が現役時代につけていた背番号24。同じく末包、林、曾澤、菊池涼の4人へ、自分のアピールポイントでもある切れのある直球を投げ込んでいた。
「3番手」として最後にマウンドに上った5位右腕の松本 竜也投手(智辯学園)も、同じメンバーの打者相手に直球のみを40球投げ込んだ。松本はキャンプ序盤からブルペン投球で重さを感じさせる直球を披露し、首脳陣からも好評価をもらっていた。その期待通りに、重い球質の直球を低めへ投げ込んで、戦力になれるところをアピールしていた。
広島はここ2年連続して新人王を輩出している。2020年は森下 暢仁投手(大分商出身)、昨年は栗林 良吏投手(愛知黎明出身)が獲得した。3年連続となれば、1984年小早川 毅彦内野手(PL学園出身)、1985年川端 順投手(鳴門出身)、1986年長冨 浩志投手(千葉日大一出身)以来、36年ぶり球団史上2回目となる。同一球団からの新人王は4年連続の巨人が最多だが、今季広島の投手が新人王をとり、投手だけで3年連続となればセ・リーグ初となる。キャンプ序盤のフリー打撃とはいえ、3投手いずれも柵越えを1本も許さなかったことで、今季への期待も膨らむ。
3投手と対戦した同じくルーキーの末包 昇大外野手(高松商出身)は鈴木 誠也外野手に似た打撃フォームから外野フェンス近くまで打球を飛ばすなど、3投手に負けないパワーぶりをアピールしていた。
打撃ケージ後ろから見守った佐々岡監督も投打に期待できるルーキーの出現に、目を細めていたに違いない。3年連続新人王輩出へ。実現すれば、チームの成績も頂点に近づくことは間違いない。