オリックスは2021年のドラフト会議で、椋木(むくのき)蓮投手(高川学園ー東北福祉大)を1位で獲得した。先発、中継ぎどちらも対応できるタイプで、本人も「100勝100セーブを目指したい」と目標を掲げている。

 過去、オリックスが獲得してきた大卒ドラフト1位指名の投手たちは先発、中継ぎどちらのタイプが多かったのだろうか。1989(平成元)年以降に指名した大卒ドラフト1位の投手たちを振り返ってみたい。

 先発タイプでは長谷川 滋利投手(東洋大姫路ー立命館大・1990年1位)が、最も結果を残している。1年目から12勝を挙げ新人王を受賞すると、6年間の在籍で4度の2ケタ勝利を達成し、通算57勝をマークした。その後、MLBへ活躍の場を移し、エンゼルス、マリナーズの2球団で2005年まで現役を続け、MLB通算517試合に登板。ほぼ中継ぎで起用され45勝をマークしている。

 松葉 貴大投手(東洋大姫路ー大阪体育大・2012年1位)と山﨑 福也投手(日大三ー明治大・2014年1位)の2人も先発タイプだ。松葉はすでに中日へと移籍したが、プロ2年目となる2014年には規定投球には届かなかったものの8勝1敗、防御率2.77の結果を残し、2016年にも7勝を挙げた。山﨑はルーキーイヤーから苦しんだが、昨年キャリアハイとなる8勝を挙げ、日本シリーズでも先発のマウンドに登っている。長谷川と比べると物足りなさは残るもののまだ29歳。これからの上積みに期待がかかる。

 中継ぎでは小林 宏投手(崇徳ー広島経済大・1992年1位)、加藤 大輔投手(九州国際大付ー神奈川大・2002年自由枠)、平野 佳寿投手(鳥羽ー京都産業大・2005年大社希望枠)の3人が結果を残した。小林は先発、中継ぎ両方の役割でプレーし現役最終年の楽天で登板した3試合(先発1試合)を含め、通算245試合(先発87試合)に登板。53勝、19セーブをマークしている。1995年の日本シリーズでオマリー(ヤクルト)との勝負は未だに語り継がれている。現在はオリックスの2軍監督として育成に力を注いでいる。

 加藤は1年目から中継ぎで43試合に登板。5年目の2007年から守護神になると、2008年には33セーブを挙げ最多セーブを獲得した。2012年からは楽天に移籍。2球団で通算400試合に登板し87セーブをマークしている。

 平野は1年目から先発として7勝、8勝と2ケタ勝利には届かずも、まずまずの成績を残していた。しかし5年目の2010年から中継ぎに転向すると、2011年に最優秀中継ぎ、2014年には最多セーブのタイトルを獲得するなど大きく飛躍する。2018年からMLBで3年間プレー。昨シーズンからオリックスに復帰すると29セーブをマークし、優勝に大きく貢献してした。

 このようにオリックスの大卒ドラフト1位指名の投手たちは先発、中継ぎ、あるいはその両方で結果を残してきた投手が多い。椋木はどのように育っていくのだろうか。今からその投球が楽しみだ。

<オリックス大卒ドラフト1位の投手の通算成績>
※逆指名、自由枠、希望入団枠含む
※1989(平成元)年以降

長谷川 滋利(東洋大姫路ー立命館大・1990年1位)
[NPB]142試合(903回) 57勝45敗4S 防御率3.33
[MLB]517試合(720.1回) 45勝43敗 防御率3.70

小林 宏(崇徳ー広島経済大・1992年1位)
245試合(753.2回) 53勝47敗 防御率4.42

杉本 友(川越ー筑波大・1996年1位)
126試合(319.1回) 12勝23敗1S 防御率4.93

小川 裕介(立命館宇治ー立命館大・2001年自由枠)
5試合(3.1回) 0勝0敗 防御率18.90

加藤 大輔九州国際大付ー神奈川大・2002年自由枠)
400試合(490.1回) 22勝28敗87S 54H 防御率3.73

平野 佳寿(鳥羽ー京都産業大・2005年大社希望枠)
[NPB]595試合(1017.2回) 49勝72敗185S 142H 防御率3.07
[MLB]150試合(131.2回)9勝9敗8S 48H 防御率3.69

小林 賢司(酒田南ー青山学院大・2007年大社1巡)
2試合(1回) 0勝0敗 防御率0.00

古川 秀一清峰ー日本文理大・2009年1位)
63試合(62.1回) 0勝2敗5H 防御率4.48

松葉 貴大(東洋大姫路ー大阪体育大・2012年1位)
150試合(743.2回)36勝51敗 防御率3.86

山﨑 福也(日大三ー明治大・2014年1位)
129試合(436回)23勝32敗1H 防御率4.13

椋木 蓮高川学園ー東北福祉大・2021年1位)

(記事:勝田 聡)