ロッテは2021年のドラフト会議において松川 虎生捕手(市立和歌山)を1位で単独指名し、契約を締結した。高卒の捕手がドラフト1位で指名されたのは、NPB全体で見ると2017年の中村 奨成捕手(広陵出身・広島1位)以来4年ぶりのことで、ロッテでは球団史上初だった。

 ロッテは近年、捕手ではないが、平沢 大河内野手(仙台育英出身・2015年1位)、安田 尚憲内野手(履正社出身・2017年1位)、藤原 恭大外野手(大阪桐蔭出身・2018年1位)と高卒の野手を立て続けに指名しており、2015年以降で松川は4人目となる。投手を1位指名する球団が多い中、ロッテは野手を中心に指名してきた。

 これまでドラフト1位で入団したロッテの高卒野手は結果を残してきたのだろうか。1989(平元)年以降の指名選手を振り返ってみたい。

 ロッテがドラフト1位で指名した高卒野手の結果を見ると、かなり両極端な成績になっている。登録名サブローで親しまれた大村 三郎外野手(PL学園出身・1994年1位)と西岡 剛内野手(大阪桐蔭出身・2002年1巡)は、2005年と2010年の日本一に大きく貢献した。ともに日本代表としてもプレー。サブローは北京五輪の予選で活躍し本位会への切符を獲得することに貢献した。西岡は2006年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で本塁打を放つなど世界一に貢献。2008年の北京五輪でも打率は4割を超えた。両選手ともチームの顔から球界を代表する選手へと成長している。

 一方で澤井 良輔内野手(銚子商出身・1995年1位)と渡辺 正人内野手(上宮出身・1997年1位)は目立った成績を残すことができなかった。特に高校時代は福留孝介外野手(当時PL学園高)と並び称された澤井はプロで苦戦。通算90試合の出場にとどまった。渡辺は途中出場がメインながら2002年に106試合、2003年に104試合に出場。2003年はキャリアハイの7本塁打を放つもレギュラーに定着することはできなかった。

 現在チームに所属している平沢、安田、藤原は現時点で確固たるレギュラーになることはできていない。だが昨年は安田と藤原が開幕スタメンで起用されており期待値は高い。安田は5年目、藤原は4年目となる今シーズンに1軍定着からのレギュラー奪取を狙っている。

 松川は捕手という特殊なポジションであり、すぐに1軍でプレーすることはないだろう。2軍で経験を積み、数年後に扇の要として1軍の正捕手になることが目標となる。球団史上初の高卒ドラフト1位指名捕手としてどのような成長曲線を描いていくのか注目だ。

<ロッテ高卒ドラフト1位の野手の通算成績>
※1989(平元)年以降

大村 三郎(PL学園出身・1994年1位)※すでに現役を引退
1782試合 打率.265(5143打数1363安打) 127本塁打 655打点

澤井 良輔(銚子商出身・1995年1位)※すでに現役を引退
90試合 打率.225(160打数36安打) 6本塁打 19打点

渡辺 正人(上宮出身・1997年1位)※すでに現役を引退
492試合 打率.207(677打数140安打) 11本塁打 71打点

西岡 剛(大阪桐蔭出身・2002年1巡)※今年から福岡北九州フェニックスの選手兼監督
[NPB]1125試合 打率.288(4140打数1191安打) 61本塁打 383打点
[MLB]71試合 打率.215(233打数50安打) 0本塁打 20打点

平沢 大河仙台育英出身・2015年1位)
236試合 打率.198(548打数108安打) 7本塁打 46打点

安田 尚憲履正社出身・2017年1位)
245試合 打率.226(797打数180安打) 15本塁打 116打点

藤原 恭大大阪桐蔭出身・2018年1位)
110試合 打率.223(332打数74安打) 8本塁打 34打点

松川 虎生市立和歌山・2021年1位)

(記事:勝田 聡)