これで戦力外なの?投手王国・オリックスからトライアウト参加4投手が別格の投球
荒西祐大投手 ※写真は2021年キャンプより
トライアウトに参加した選手を見ていると、実力不足で戦力外になるケースはあるが、選手の実力は悪くないが、チームによっては投手陣の層が厚いなどで、どうしても整理しなければならない事情もある。
今年は、オリックス投手陣だといえる。沢村賞の山本由伸、新人王最右翼の宮城大弥と先発、中継ぎ、抑えと非常に充実している。
今回、トライアウトに参加したオリックスの投手陣が本当にすごかった。
オリックス勢1人目に投げたのは、金田和之投手(都城商出身)。
12年阪神ドラフト5位指名を受けた金田は2年目の14年に40試合登板を経験し、オリックスに移籍した17年には34試合に登板した。今季は一軍登板9試合にとどまったが、トライアウトの投球内容は打者3人に投げて1三振1四球だった。右スリークォーターから常時140キロ中盤〜147キロの速球、130キロを超えるキレのあるスライダーで翻弄した。
2人目は神戸文也投手(前橋育英出身)。立正大を経て、16年育成ドラフト3位でオリックスに入団した。支配下登録後の19年には、19試合、5ホールドを記録したが、20年は5試合登板、21年は一軍登板がなく戦力外となった。しかしこの日は、最速148キロで、常時145キロ前後の速球と、フォーク系の変化球で、三者凡退に打ち取った。
3人目は荒西祐大投手(玉名工出身)。Honda熊本入社後は20代前半からドラフト候補として注目され続け、18年ドラフト3位で入団。1年目から中継ぎとして活躍し、19年は13試合登板、20年は29試合に登板をしている。この日のマウンドでは、右サイドから繰り出される140キロ前半(最速145キロ)の直球は威力抜群で、120キロ前半のスライダーと130キロ前後のシンカーを投げ分けた。
このシンカーが左打者にとって有効的な球種で、三者連続三振を奪う快投だった。右サイドにとっては、左打者を抑えられるどうかは生命線。このシンカーがハマったのは大きかった。
13年ドラフト1位の吉田一将投手(青森山田出身)もアピールに成功した。14年から20年まで一軍での登板を経験。16年には54試合に登板するなど、中継ぎの一角として活躍を見せていた。
右スリークォーターではあるが、肘が立って、体を鋭く回転させるフォーム。常時140キロ〜142キロ程度だが、それ以上の球速を感じさせるストレートは魅力的で、120キロ後半の縦スライダーの精度の高さもあった。
この極寒の中、持ち味を示したオリックス4投手に吉報は訪れるか。