2021年の西武は42年ぶりとなる最下位に沈んだ。とくに投手陣に苦しみ防御率3.94、589失点はともにリーグワーストだった。投手陣の崩壊を止めるべく、ドラフト1位で隅田 知一郎投手(波佐見ー西日本工業大)、2位で佐藤 隼輔仙台高ー筑波大)と、大卒の左腕を獲得している。とくに隅田は4球団が競合した屈指の投手。大きな期待がかかっている。

 過去、西武が大卒のドラフト1位(逆指名、希望枠など含む)で指名した投手はプロ入り後にどのような活躍を見せているのだろうか。1989(平元)年以降の指名を振り返ってみたい。

 平成以降の大卒ドラフト1位では岸 孝之投手(名取北ー東北学院大・2006年大社希望枠)が圧倒的な成績を残している。ルーキーイヤーから4年連続で2桁勝利を達成。2014年には13勝4敗(勝率.765)で最高勝率のタイトルを獲得した。2016年オフにFA権を行使し楽天へと移籍するも、それまでに103勝を挙げている。103勝は球団(前身含む)9位タイとなっている。

 このオフに自由契約となった多和田 真三郎投手(中部商ー富士大・2015年1位)は通算29勝を挙げた。2018年には16勝をマークし最多勝のタイトルを獲得した。自律神経失調症の影響もありその後は目立った成績を残すことができていないものの、平成以降における西武の大卒ドラフト1位指名投手としては岸に続く勝利数を挙げている。

 中継ぎとしては長田 秀一郎投手(鎌倉学園ー慶應義塾大・2002年自由枠)が結果を出した。2013年途中にDeNAへと移籍するも通算389試合、西武では262試合に登板。2012年には26ホールドをマークし防御率2.53とブルペンを支えた。

 一方で結果を出せなかったのが竹下 潤投手(静岡市立商ー駒澤大・1991年1位)、安藤 正則投手(専大松戸ー専修大・1997年1位)、山崎 敏投手(勢多農林ー平成国際大・2003年自由枠)、大石 達也投手(福岡大大濠ー早稲田大・2010年1位)だ。安藤は1軍登板が1試合もなく、竹下も162試合で12勝止まり。山崎も67試合で6勝しか挙げることができなかった。大石は132試合でわずか5勝。6球団競合のドラフト1位指名投手としては物足りない結果となった。

 現在チームに所属している選手では、齊藤 大将投手(桐蔭学園ー明治大・2017年1位)と松本 航投手(明石商ー日本体育大・2018年1位)のふたりがいる。齊藤は昨年5月に左肘の手術を受けており、今年から育成契約となった。まずは支配下登録を目指すことになる。松本は3年目の昨シーズン、初の規定投球回と2桁勝利を達成した。今年も先発ローテーションの一角を任されることが濃厚で、岸に続くような成績を残すことが期待される。

 隅田も岸のように1年目から飛躍できるだろうか。その投球に注目が集まる。

<西武大卒ドラフト1位の投手の通算成績>※逆指名、自由枠、希望入団枠含む※1989(平元)年以降

竹下 潤(静岡市立商ー駒澤大・1991年1位)※すでに現役を引退
162試合(288回) 12勝12敗1S 防御率4.13

安藤 正則(専大松戸ー専修大・1997年1位)※すでに現役を引退
1軍登板なし

長田 秀一郎(鎌倉学園ー慶應義塾大・2002年自由枠)※すでに現役を引退
389試合(420回) 25勝25敗2S 85H 防御率4.14

山崎 敏(勢多農林ー平成国際大・2003年自由枠)※すでに現役を引退
67試合(113.2回) 6勝4敗4H 防御率5.15

岸 孝之(名取北ー東北学院大・2006年大社希望枠)※現在は楽天
326試合(2166.1回) 141勝94敗1S 防御率3.06

大石 達也福岡大大濠ー早稲田大・2010年1位)※すでに現役を引退
132試合(138.1回) 5勝6敗8S 12H 防御率3.64

多和田 真三郎中部商ー富士大・2015年1位)※このオフに自由契約
72試合(434.1回) 29勝21敗 防御率4.17

齊藤 大将(桐蔭学園ー明治大・2017年1位)
32試合(37.1回) 1勝4敗2H 防御率7.71

松本 航明石商ー日本体育大・2018年1位)
64試合(338回) 23勝19敗 防御率4.15

隅田 知一郎波佐見ー西日本工業大・2021年1位)

(記事:勝田 聡)