【楽天】優勝できる投手力発揮できずも、新人早川が貴重な戦力に
早稲田大時代の早川 隆久投手
2021年シーズンが終了した。東京五輪があり変則日程ながら2年ぶりに143試合が行われ、セ・リーグはヤクルト、パ・リーグはオリックスが前年最下位からの優勝となった。日本シリーズは優勝チーム同士の対戦となり、ヤクルトが4勝2敗で20年ぶりの日本一に輝いた。
両リーグのタイトルは確定したが、12球団各チームの中でのランキングはどうだったのか。今季のデータを振り返り、投手、打者に分けてランキングを紹介していく。
今回は楽天の投手編。先発陣では実績十分の布陣で臨みながら、チーム防御率は3.40でリーグ4位に終わった。優勝候補に挙げられた要因に投手力があったが、思うような結果が得られずチーム全体でも3位だった。
勝利数は則本がトップ。2ケタ勝利を挙げたのは2人で、則本は3年ぶりの2ケタだった。瀧中は昨年2勝からのジャンプアップ。プロ初の2ケタ勝利を挙げた。ルーキー早川はあと1勝で2ケタを逃した。期待された田中将は4勝に終わった。
<勝利数上位ランキング>
1位 則本 昂大 11勝(5敗)
2位 瀧中 瞭太 10勝(5敗)
3位 岸 孝之 9勝(10敗)
3位 早川 隆久 9勝(7敗)
5位 涌井 秀章 6勝(8敗)
規定投球回数の3分の1とハードルを低く設定しての防御率では、中継ぎで大活躍した安樂がトップに立った。上位3人は救援陣。田中将は不満の残る結果だった。
<防御率上位ランキング>(規定投球回数3分の1以上)
1位 安樂 智大 2.08(56.1回)
2位 宋 家豪 2.23(60.2回)
3位 酒居 知史 2.28(51.1回)
4位 田中 将大 3.01(155.2回)
5位 則本 昂大 3.17(144.2回)
投球回数では田中将がトップ。年間通してローテーションを守ったが、結果がついてこなかった。早川はプロ1年目から首脳陣の期待に応えたといえる。
<投球回数上位ランキング>
1位 田中 将大 155.2回(防御率3.01)
2位 岸 孝之 149回(防御率3.44)
3位 則本 昂大 144.2回(防御率3.17)
4位 早川 隆久 137.2回(防御率3.86)
5位 瀧中 瞭太 103.2回(防御率3.21)
登板試合数ではセットアッパー役が多かった宋がトップ。5年目で最多登板試合となり、リーグでも2位だった。安樂も昨年の倍以上の58試合に登板した。酒居はチーム最多のホールドを誇り、リーグでも2位だった。
<登板試合数上位ランキング>
1位 宋 家豪 63試合(24ホールド)
2位 安樂 智大 58試合(22ホールド)
3位 酒居 知史 54試合(28ホールド)
4位 松井 裕樹 43試合(24セーブ)
5位 森原 康平 34試合(3ホールド)
奪三振では則本が貫禄で1位。リーグでもオリックス山本に次いで2位と、3年ぶりに150以上の三振を奪った。
<奪三振数上位ランキング>
1位 則本 昂大 152(23試合144.2回)
2位 岸 孝之 131(25試合149回)
3位 早川 隆久 127(24試合137.2回)
4位 田中 将大 126(23試合155.2回)
5位 涌井 秀章 76(21試合96.1回)
1試合当たりの四球数を表す与四球率では、田中将がトップ。制球力の安定感はさすがといえる。2位にはルーキーの早川が入った。
<与四球率上位ランキング>(規定投球回数の3分の1以上)
1位 田中 将大 1.68(155.2回29四球)
2位 早川 隆久 1.96(137.2回30四球)
3位 岸 孝之 2.05(149回34四球)
4位 則本 昂大 2.18(144.2回35四球)
5位 瀧中 瞭太 2.34(103.2回27四球)
田中将、則本、岸、涌井に早川が加入し、安樂、宋、松井と安定している投手陣を武器に強さを誇ると予想されたが、優勝争いから脱落し3位に終わった。早川ら若い力が来季への飛躍を思わせる結果を残したことが明るい材料だ。
12月2日現在の楽天投手登録の支配下選手、自由契約選手は以下の通り。
<楽天支配下選手>投手
(数字は背番号、カッコ内は出身高校)
1 松井 裕樹(桐光学園)
11 岸 孝之(名取北)
13 森原 康平(山陽)
14 則本 昂大(八幡商)
16 涌井 秀章(横浜)
17 塩見 貴洋(帝京五)
18 田中 将大(駒大苫小牧)
19 藤平 尚真(横浜)
20 安樂 智大(済美)
21 早川 隆久(木更津総合)
23 弓削 隼人(佐野日大)
28 酒居 知史(龍谷大平安)
29 高田 孝一(平塚学園)
31 福井 優也(済美)
32 ブセニッツ
40 内間 拓馬(宜野座)
41 釜田 佳直(金沢)
43 宋 家豪
45 渡邊 佑樹(富士学苑)
47 藤井 聖(富士市立)
52 津留﨑 大成(慶応義塾)
53 髙田 萌生(創志学園)
56 鈴木 翔天(向上)
57 瀧中 瞭太(高島)
58 辛島 航(飯塚)
60 石橋 良太(明徳義塾)
62 西口 直人(山本)
64 福山 博之(大東)
68 寺岡 寛治(東海大五)
69 内 星龍(履正社)
<自由契約選手>
22 牧田 和久(静清工)
39 引地 秀一郎(倉敷商)→育成再契約
49 福森 耀真(北九州)→育成再契約
59 菅原 秀(福井工大福井)→引退
61 佐藤 智輝(山形中央)→育成再契約
72 池田 駿(新潟明訓)→引退