阪神は西純、村上の期待若手に多くチャンス、来季に飛躍狙う
高校時代の村上 頌樹(智辯学園)
2軍では来シーズン以降の戦力を期待されている若手有望株、故障からの復帰を目指すリハビリ段階の主力、そしてベテランと様々な選手がしのぎを削っている。
そのなかで今シーズンは誰が多くのチャンスを与えられてきたのだろうか。各球団の投球回数上位5人を振り返ってみたい。
3年ぶりにファーム日本一となった阪神は、高卒2年目の若武者、西 純矢投手(85.1回)が最多投球回だった。ドラフト1位で創志学園から阪神へと入団した西は、チームトップの15試合に先発。そのなかで6勝3敗、防御率4.11と結果を残した。1軍でもデビュー戦となった5月19日のヤクルト戦で、4個の四球を出しながらも5回無安打無失点の好投。プロ初登板初勝利を飾っている。同世代の高卒ドラフト1位入団であるヤクルト奥川 恭伸投手(星稜出身)、ロッテ佐々木 朗希投手(大船渡出身)、オリックス宮城 大弥投手(興南出身)らが1軍で続々と結果を出しており、西純にかかる期待も大きい。
チーム2位はドラフト5位ルーキー、智辯学園出身の村上 頌樹投手(84.2回)。西純に次ぐ14試合に先発し10勝1敗、防御率2.23とファームでは圧倒的な成績だった。ファーム日本選手権での先発のマウンドを任され、白星はつかなかったものの6回2失点(自責点1)、無四球、7奪三振(79球)と好投している。
また、最優秀防御率、最多勝、最高第一位の三冠を獲得し、その他にもファームの優秀選手賞など多くの表彰を受けている。しかし1軍では2試合に登板し2.1回5失点、3回5失点と打ち込まれ白星を掴むことはできていない。2年目となる来シーズンは1軍での結果が欲しいところ。
西純、村上に続いたのは啓新出身で育成契約の牧 丈一郎投手(49回)だった。昨シーズンの22試合(先発3試合)から17試合(先発9試合)と、登板数こそ減ったものの先発での起用が増えた。そのため投球回数も36.1回から49回にアップしている。育成契約3年目となる来シーズンは支配下復帰を目指す。
チーム4位は今シーズン限りで現役を引退した八幡高校(福岡)出身の中田 賢一投手(48回)、5位は福岡大大濠出身の浜地 真澄投手(45回)となっている。浜地は2019年に1軍で21試合に登板したものの以降は2軍でのプレーが続いている。今シーズンも1軍ではわずか4試合の登板にとどまり、2軍でチーム最多となる37試合に登板した。来シーズンは高卒6年目。そろそろ中継ぎとして1軍定着したいところだ。
<阪神2軍・投球回数上位5人>
西 純矢(85.1回)
17試合 6勝3敗 防御率4.11
村上 頌樹(84.2回)
17試合 10勝1敗 防御率2.23
牧 丈一郎(49回)
17試合 3勝2敗 防御率3.31
中田 賢一(48回)
13試合 4勝3敗 防御率5.81
浜地 真澄(45回)
37試合 3勝1敗 防御率3.40
(記事:勝田 聡)