打率.366「代打の神様」の出番!ヤクルトの強み「川端劇場」
ヤクルト・川端 慎吾
日本シリーズは1勝1敗と五分の結果で2戦を終えた。オリックス、ヤクルトともに前年、最下位からの優勝で進んだ日本シリーズ。接戦の連続で、見ごたえ十分なシリーズとなっている。
第3戦からは、大きく変わる点がある。セ・リーグ本拠地の試合となるので、投手が打席に立つことになる。パ・リーグの投手がいかに打つかが問題ではない。セ・リーグでは当たり前なのだろうが、終盤の大事な場面で投手に打席が回ったときに、代打が起用される。接戦になればなるほど、代打が勝敗のカギを握る可能性は大きい。
ヤクルトには川端 慎吾内野手(市立和歌山商出身、現市立和歌山)がいる。今季、代打として89打席で、歴代2位の30安打をマークした。
川端の2021年代打成績
89試合 89打席 82打数 30安打 打率.366
1本塁打 18打点 16三振 7四死球 得点圏打率.421
歴代トップ代打31安打の元ヤクルト真中満氏は、2007年代打で97打席94打数31安打の打率.330を残した。川端は打率では上回っている。
川端には6年前のソフトバンクとの日本シリーズで苦い思い出がある。この年、143試合フル出場で打率.336で首位打者、195安打の最多安打のWタイトルを獲得した。驚異の2番打者として臨んだ日本シリーズだったが、結果は5戦18打数3安打。チームも敗れた。あの悔しさは忘れていないだろう。今回は「代打の神様」として、日本一のためにバットを振るに違いない。
2戦目まで、まだ出番はない。第3戦は、真中氏が始球式を務めることになった。舞台は東京ドームだが、いつもの「川端劇場」でスタンドの傘を勢いよく揺らすことだろう。
(記事:浦田 由紀夫)