日本ハム高卒投手は上沢、堀の15勝、来季は4年目となる吉田待ち
高校時代の上沢 直之(専大松戸出身)
2021年のペナントレースは、セ・リーグがヤクルト、パ・リーグはオリックスが優勝を飾った。ヤクルトは奥川 恭伸投手(星稜出身)、オリックスは宮城 大弥投手(興南出身)と高卒2年目の投手が飛躍。チームに欠かせない存在となった。その他にもロッテ・佐々木 朗希(大船渡出身)や阪神・及川 雅貴投手(横浜高出身)ら、同じく高卒2年目の投手がクライマックスシリーズに進出したチームの戦力となった。
彼らのように生え抜きの高卒投手が早い段階で計算できるようになると、チームにとってはこの上なく大きい。国内FA権の取得までの期間が大学生や社会人出身の選手と比べ1年長いからだ。
さて、各球団の生え抜き高卒投手は、今シーズンどれだけの勝ち星を挙げているのかを振り返ってみたい。
栗山 英樹監督体制となって10年目だった今シーズンの日本ハムは、最下位こそ免れたものの3年連続で5位に終わった。苦しいチーム状況の中で奮闘したのが上沢 直之だ。
上沢は2011年ドラフト6位で専大松戸から日本ハムへ入団した右腕で、栗山監督1年目となる2012年がプロ1年目。まさに栗山監督とともに10年間戦ってきた右腕でもある。
ここ2年は試合中の打球直撃によるアクシデントで離脱した影響もあり、規定投球回には届かなかった。しかし今年は開幕から順調に登板数を増やし、3年ぶりに到達すると自己最多となる12勝をマーク。先発24試合のうち21試合でQS(6回以上自責点3以下)を達成しており安定感も抜群だった。
その他では最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した堀 瑞輝(広島新庄出身)が3勝を挙げた。2016年ドラフト1位で指名された左腕は、2019年から3年連続で45試合以上に登板。今シーズンは自己最多となる60試合に登板し3勝2敗、39ホールド、防御率2.36とチームに欠かせない存在となった。
今シーズンの日本ハムで勝ち星を挙げた生え抜きの高卒投手はこのふたりだけ。期待されていた2018年ドラフト1位の吉田 輝星(金足農)も一軍ではわずか1試合の登板に終わっている。しかし二軍では19試合(15先発)の登板で6勝を挙げた。来シーズンは一軍での登板を増やし、先発ローテーションに入ってくることへの期待がかかる。
<日本ハム・生え抜き高卒投手勝利数>
チーム勝利数:55勝
生え抜き高卒投手勝利数:15勝(27.3%)
(12勝)上沢 直之(専大松戸→2011年6位)
(3勝)堀 瑞輝(広島新庄→2016年1位)
(記事:勝田 聡)