ヤクルト村上、驚異のパワーで史上最年少王手弾、40号は秒読み
高校時代の村上 宗隆
東京五輪のあの一発を思い出した。ヤクルト村上 宗隆内野手(九州学院出身)が13日中日戦で、9月26日以来、14試合ぶりとなる39号2ランを左中間スタンドへ放った。東京五輪、金メダルを決定づけたあの一発も左中間への当たりだった。村上の村上たるゆえんでもある逆方向への一発は、「スランプ」状態からの脱却を思わせた。
ついに40号に王手をかけた。これまでシーズン40号の最年少記録は、1963年の王 貞治(巨人)、1985年の秋山 幸二(西武)の23歳。21歳と8か月のスラッガーがプロ野球の記録を破ろうとしている。すでに今季の打点も100の大台に到達。史上最年少での大台突破も、40号同様、「王と秋山」超えを達成している。さらに、通算100号の史上最年少記録も達成している。ホームランと打点の史上最年少「40発&100打点」が、カウントダウン状態に入った。
巨人の岡本 和真内野手(智弁学園出身)が13日阪神戦の第一打席で犠牲フライでの打点を挙げて107としていた。しかし、村上は39号2ランでホームランキング争いで単独トップに立つと同時に、打点争いでは岡本を捕えて107とした。
2人は10月に入り苦しんでいた。12日までの成績は散々だった。
村上=10試合 34打数10安打5打点、打率.294 0本塁打8三振8四死球
岡本=10試合 32打数6安打0打点、打率.188 0本塁打7三振8四死球
村上は打率こそあったが、本来の本塁打、打点は0。岡本は打率も悪かった。村上はこの日、3打数2安打2打点1本塁打。岡本は安打こそなかったが、打点を1積み上げた。
史上稀に見る熾烈な2冠争いは終盤で足踏みしていたが、ここにきて2人にエンジンがかかりそうな気配になってきた。15日の直接対決が楽しみだ。
記事=浦田 由紀夫