奥川VS佐々木朗の「頂上決戦」も夢でなくなってきた
奥川 恭伸(星稜出身)、佐々木 朗希(大船渡出身)
あのドラフトから2年が経った。高校生ながら163キロを計測した怪物、佐々木 朗希投手(大船渡出身)がドラフトで日本ハム、ロッテ、楽天、西武の4球団から1位指名があり、抽選の末、ロッテに指名が決まった。1年目は体力作りもあり、今年から1軍で本格的に先発し始めたが、シーズン終盤のオリックス、楽天と優勝争いの最中、先発投手として登板している。首脳陣の期待だけでなく、信頼もされている表れだろう。
7日の楽天戦では大器の片鱗を随所に見せた。楽天の則本と堂々と投げ合った。7回4安打2失点8奪三振。6回まで毎回の8三振を奪った。浅村、島内、鈴木大のクリーンアップに対しても、タイムリー、ホームランは許したが、その後の打席では三振を奪って「リベンジ」もした。160キロ近い速球と、切れ味鋭いフォークが低めにズバズバ決まっていた。
その佐々木と「同期」で、ドラフトで巨人、阪神、ヤクルトの3球団から1位指名を受けヤクルトに入団したのは奥川 恭伸投手(星稜出身)。こちらもセ・リーグ優勝争いの最中で、ここまで8勝をマーク。新人王の可能性もある活躍を見せている。170人、47回3分の2連続して無四死球中という快投も見せている。
2人の登板数を考えると、比較は難しいが、数字を並べてみた。(10月7日終了時)
ヤクルト奥川
15試合 8勝3敗 勝率.727 防御率3.14
91回3分の2 86安打 9本塁打 8四球 1死球
81奪三振 32失点 32自責点
ロッテ佐々木朗
9試合 2勝2敗 勝率.500 防御率2.81
51回3分の1 42安打 5本塁打 14四球 0死球
49奪三振 22失点 16自責点
佐々木朗は奥川の半分強の投球回数を投げている。それぞれの数字を見ると、奥川の四死球の少なさは際立つ。奥川が勝率では大きくリードしているが、防御率では佐々木朗が若干上回っている。
星稜と大船渡のエースだったころは、甲子園で輝いた奥川と、スピードで話題をさらった佐々木朗。それぞれが同じように大器の予感を漂わせていた。両リーグでライバルとして競い合い、日本シリーズで投げ合ってほしいと思っていたが、現在ともにチームが優勝争いを演じていることを考えれば、「夢の競演」が今年早速、実現するかもしれない。