News

名門・東京城南ボーイズでは野球の問題集で「イメージトレーニング」

2020.05.11

名門・東京城南ボーイズでは野球の問題集で「イメージトレーニング」 | 高校野球ドットコム
東京城南ボーイズの練習の様子(※写真は2018年9月撮影)

 コロナウイルスの感染者は減少傾向にあるとは言え、まだまだ予断を許さない状況は続いている。
 日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)は5月7日、6日までのチーム活動禁止の通達を14日まで延長することを発表し、14日以降についても政府の方針等を鑑みて改めて判断することを通達。先はまだまだ見えない状況とは言え、8月2日からの日本選手権開催に向けて連盟としても取り組んでいく構えを示した。

 4月13日から始まったボーイズリーグの活動禁止期間。この長期間の自粛で懸念されるのは、練習量低下による、体力的な問題と実戦感覚が失われることだ。

 ただその期間を有効に活用し、改めて野球のルールを学ぼうとするチームがある。それが高校、大学で活躍する選手を数多く輩出する東京城南ボーイズだ。
 過去には春日部共栄のエースだった村田賢一投手(明治大1年)や、常総学院のスラッガーだった斉藤勇人選手(明治大)、そして現役高校球児でもU-15代表だった金井慎之介選手(横浜)や大型外野手・吉野創士選手(昌平)など、有望な球児を多く輩出しているが、再開後を見据えて選手たちに実戦のイメージトレーニングを行ってもらう取り組みを始めた。

 選手たちには野球の実践プレーの問題集を購入してもらい、野球ノートに解答とそれに対する感想や意見を書いてもらう。内容は各学年の担当のコーチが、指名制でノートを写真に撮りメールで報告させる予定だ。

 チームが指定した問題集では実際にあったプレーを交えながら、状況に応じた守備位置、カバーリング、ルールについて学ぶことができ、問題を解き進めることで頭の中で実戦練習ができる。

 東京城南ボーイズの大枝茂明監督は、今回の取り組み背景について「短期間で実践感覚を取り戻して欲しい」という狙いがあると明かす。
 もし5月下旬や6月に練習が再開できても、大会までに実戦感覚を取り戻すのは非常に難しい。その中で大枝監督が思いついた策が、問題集を用いてのイメージトレーニングだった。

 「練習が再開すれば、体力面は早く取り戻せるかもしれませんが、実戦感覚を取り戻すのはなかなか難しいです。ですので、今のうちから少しでも実戦感覚を頭でイメージできればと思い、今回の取り組みを始めました」

 野球というスポーツは複雑なルールで成り立っている。それを巡って複雑な状況判断が求められる。基本的なルールだけではなく、ルールにおける最善の動きができる選手が多いチームほど強さを発揮する。

 こうした自習期間で、野球の勉強を復習する東京城南ボーイズの方針は多くの中高生に参考となるだろう。

(記事=栗崎 祐太朗)

関連記事
元ヤクルト宮本氏がLINEで技術指導 東練馬シニアは「保護者への恩返し」を目指して自粛期間を過ごす
OBにも打撃力の高い選手が多い八王子シニア 秘密は「フルスイング重視」の指導方針
中学球児の憧れ、日本代表選抜チームも相次いで中止、延期「気の毒だけど仕方ない」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.23

「無欲すぎて就職希望だったところを……」紅林弘太郎(オリックス)、恩師が明かす高校3年間

2024.04.23

波乱の春季千葉大会!木更津総合、習志野、市立船橋、成田の強豪が夏ノーシードに回る事態に!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!