「活動中止期間もポジティブ要素はたくさん」中学球児に毎日送られる監督からの熱いメッセージ
篠栗ボーイズの練習の様子※写真は2018年11月に撮影
16日に、緊急事態宣言が7都府県から全国に拡大され、中学、高校の選手たちは自宅待機を余儀なくされているが、この活動中止期間をポジティブに過ごそうと呼びかける指導者は多くいる。
福岡県糟屋郡で活動を行う篠栗ボーイズでは、本村達也監督が日々選手たちにポジティブなメッセージをLINEで送ることで、自粛期間を有意義に過ごせるよう努めている。
メッセージの内容は、何気ない日常の有難さや礼儀の大切さ、また自分の将来への問いかけなど様々だ。
本村監督は「野球から離れたからこそ、気づけるものは多くあると思います。この自粛期間をきっかけに普段は考えないことに目を向けて欲しい」とその意図を語り、選手たちの人間的な成長を願っている。
ある時に送ったLINEには、
『感謝の気付き』
いま、自分が生きている環境の中で、本当にいろんな人が関わってくれていることを痛感します。ただ、そこに気付くことができるどうかは本人次第。
いま、ご飯を食べれること。
学校に行けること。
野球ができること。
お風呂に入れること。
布団で眠れること。
すべて当たり前ではない。
そこに気付けるかどうか。
そこに感謝していくことは本当に大切なことだと考えます。
またある時には、
『自分への問いかけ』
日常の中で大きな敵が真横に存在してます。
それは「自分への甘さ」
だりーきちーめんどくせーってやつです。
それは誰にでもあり、いつでもひょっこり顔を出します。
(中略)
「おいっ!俺っ!これでほんと大丈夫か?」自問自答のワードです。
日常でも野球でも共通です。
自分への厳しさは必ず何事にも結果に反映します。勝負する対象は「人」ではなく、「過去の自分」です。
昨日の自分より、より高いことにチャレンジすることの積み重ねが日々を成長を作り出すのだと考えます。
一度のLINEで送る文章は、多い時には500字を越えることもあり、本村監督の熱く、考えさせられる言葉が並ぶ。
選手たちには「返信はしなくも大丈夫」と伝えており、「文章の捉え方は人それぞれです。そこに正解はないので、そこから自分で感じたことを大切にして欲しい」と思いを口にする。
大学時代は、東海大で菅野智之投手(巨人)や田中広輔選手(広島)らと同期であった本村監督。トップレベルの選手を知り、また社会の荒波に揉まれる立場であるからこその言葉だろう。
感染拡大が終息して、またグランドに立てる日が来た時には、選手たちが人間として成長した姿を見せてくれるに違いない。
(取材=栗崎 祐太朗)
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