活動中止の波が広がる中学野球 リトルシニアはTシャツの無償配布で「選手たちに勇気を」
コロナウイルスの感染拡大が顕著に現れるようになってきた。
野球界ではプロ野球のシーズン開幕が再延期となり、高校野球界でも選抜甲子園中止以降も各地区大会が続々と中止、延期を発表。終息の目処は一向に立たない。
そしてその波は中学野球界にも及んでいる。
日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)は、ホームページ上でカル・リプケン国際大会と世界少年野球大会の延期を発表。またボーイズリーグの某チームの指導者は、活動自粛要請が完全中止の要請に変わったことを明かし、しばらくはチームの活動を中止すると話した。
「これまでは検温や消毒、保護者の許可の下で、週に1度の自主練習を実施していましたが、今後は完全に活動を自粛していくことになります。練習は行いませんが、保護者の方にはバスなどの維持管理費があることを理解いただき、その分のみを徴収することになります」
活動中止の動きはボーイズリーグだけではない。
日本リトルシニア中学硬式野球協会の山下二郎事務局長は、活動に関しては各地区の連盟に判断を委ねているとしながらも、関東地区に関しては一切の活動休止と、春季関東大会の中止を決断したと明かす。
選手たちの精神面に心配を見せるが、まずは安全第一に運営をしていきたいと語った。
「選手たちには極力自宅にいるように、各チームに声をかけています。状況は毎日刻々と変化してるので、見極めながら対応していきたいと思っています」
こうした状況を受けてリトルシニアでは、選手たちを勇気づけることを目的に無償でTシャツを支給することを決めた。Tシャツには「We can do it」の英語がプリントされており、山下事務局長は「コロナウイルスにも打ち勝って欲しい」と思いを語った。
「支給するのは、連盟に所属する約2万名の選手です。明るい話題が無く、ずっと家にいるのも暗い気持ちになると思うので、このTシャツで選手たちを勇気づけることができればと思っています」
明るい話題が少ない野球界だが、選手たちが活動中止の期間を少しでも前向きに過ごし、夏には熱い戦いが見れることを願いたい。
(記事=栗崎 祐太朗)
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