城戸 悠希選手 (長崎商)
短評
<レポートより抜粋> この試合、長崎商のポイントは先発・城戸の復調にあったのではないだろうか。 先発・城戸は開きを抑えたフォームから130キロ台の真っすぐと、スライダーやチェンジアップなどが光る本格派右腕だ。しかし立ち上がり、強打・熊本工打線の猛攻を受けて3点を与えた。2回こそ無失点だったが、3回にも1点を失うなど、なかなか安定せずに苦しんだ。 ただ3点のリードをもらったからなのか、スライダーが低めに決まりだした。ランナーを出しても落ち着きある投球で、4回は熊本工2番・前高 翔太、5回は4番・増見 優吏をともに変化球で打ち取り、併殺打に仕留めた。 熊本工先発・吉永 粋真も、長崎商打線が捉えていただけに、序盤は落ち着かない展開が続いた。だからこそ、4回から立ち直った長崎商・城戸のピッチングは勝利に繋がる投球だったのではないだろうか。 エースの復調と好投に関して、西口監督は「彼本来の投球に近づいたと思いますので、次に繋げていけると思います」と次戦の好投を楽しみにしているようだった。 次にもつながるターニングポイントとなった4回だが、西口監督は、緊張をほぐす意味でもこんな言葉を贈ったという。 「腕を振ってほしかったので、『腕を振っていけ』と声をかけました」 その一言を受けた城戸は、西口監督からも指摘されていた低めへの丁寧な投球を体現し、試合の流れをたぐり寄せる活躍を見せた。ただ、城戸が修正したのが腕の振りだけではないという。 「下半身が使えずに上半身だけで投げていました。だから下半身を含めて全身を使って投げられるように心がけるようにしました」 監督からの一言だけではなく、自身の中で感じたことを冷静に考えて、実行に移す。初めての甲子園のマウンドで慣れないところもあるところで、それができたという成功体験は次戦にも活きるはずだ。初回から城戸本来の投球が見られることとともに、修正能力にも期待をしたい。
更新日時:2021.09.06
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