笹田 拓未選手 (西陵)

笹田 拓未

球歴:西陵

都道府県:長崎

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:182.0 cm

体重:74.0 kg

学年:卒業

寸評

 柔らかい肩の可動域を活かし、腕が遅れて出てくるような独特の感覚に陥る腕の振りのサウスポー。その独特のフォームで最後の夏は、チームを準決勝まで導きました。 (投球内容)  柔らかい身のこなしの大型左腕で、その球速は120~130キロぐらいと際立つものはない。しかし角度があり独特の腕の振りのせいか、打者ワンテンポ振り遅れる。変化球は、左腕らしい大きなカーブ。この球とのコンビネーションで、投球を組み立ててくる。  細かいコントロールはないが、ストライクゾーンの枠の中にボールを集めるといったアバウトなもの。特にこの投手、左投手なのに安打を浴びるのは、左打者に投じるカーブが多い。特にマウンド捌きに大きな欠点はないが、クィック動作ができないなど、まだまだ課題は多い。 (投球フォーム) <広がる可能性>  お尻の落としは少し甘いものの、全く三塁側に落とせていないわけではない。ただ「着地」までの粘りが物足りないので、腕を充分捻り出す時間が稼げないのだろう。そのため曲がりも中途半端になったり、腕の振りの違いで球種が見極められている可能性が考えられる。左打者からカーブを見極められるのは、体の陰にならない左打者からは、腕の振りの違いがハッキリわかるからではないのだろうか。 <ボールの支配>  グラブは内に抱えられているので、両サイドへの投げ分けは悪くない。ただ足の甲での押し付けが甘く、充分に長い時間押し付けることができていない。そのためボールは上吊りやすい傾向にある。更に「球持ち」も平均的で、指先まで力が伝えられているというほどでもない。将来的にも、きめ細やかな投球ができるのかと言われると微妙だろう。 <故障のリスク>  お尻の落としがやや甘い上に、角度をつけて投げているので、体への負担が少ないとは言えない。しかし体を強く振って投げる力投派でもないので、それほど悲観しなくても良いのではないのだろうか。 <実戦的な術>  「着地」までの粘りはもうひとつも、体の「開き」は平均的なので、ボールが見やすいというほどではない。腕の振りも体に絡んでいるが、一番の課題は「体重移動」がしっかりできないフォームだろう。そんため腕が遅れて来る感じのストレートは打ち難いものの、体重が乗って来ないので手元までグッと来るような勢いが感じられない。
更新日時:2011.09.05

将来の可能性

 現状は、球の威力・制球力・投球フォームなどなど、課題が多い投手。大型左腕としての希少価値もあるし、独特の遅れて出てくる腕の振りは確かに面白い。残念ながら、高校の時点では発展途上の段階で終わってしまい、その成長は次の進路へと託された。上手く導いてくれる環境ならば面白い存在だと思うし、本人の意欲次第では、これからの成長も期待できる。数年後、どんな成長を遂げているのか、ぜひ見てみたいと思わせてくれる、ちょっと気になる投手だった。
更新日時:2011.09.05

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